2025年1月,新たなブログ「田中浩朗文庫」を始めました

来学期授業でのAI活用法

現在、今学期の成績付けを進めている途中ですが、少し休憩を兼ねて、来学期の授業において生成AIをどのように活用するかについて考えたことをメモとして残しておきたいと思います。

生成AIを授業に活用する方法として、現在のところ2つのアイデアが浮かんでいます。

講義内容を基にしたAIボットの活用

まず一つ目は、講義内容をすべて文字起こしして、その内容を生成AIに登録するという方法です。このAIを通じて学生が講義内容に関連した質問を自由にできるようにし、講義に即した回答が得られる「質問応答ボット」を構築することを考えています。この仕組みは、ChatGPTのカスタムGPT機能を活用すれば比較的簡単に実現できそうです。

クラスディスカッションの要約

次に考えているのは、学期中に4回程度行うクラスディスカッションの記録をAIに要約させるという方法です。例えば、クラスブログ上で行うディスカッションでは、約100人の学生がそれぞれ最低4つの投稿を行います。合計で最低400件以上、多い場合はそれ以上の投稿があり、これまではそのすべてを網羅的にまとめる方法がありませんでした。投稿内容を一部取り上げて議論を振り返ることは可能でしたが、全体をまとめるのは私一人では不可能でした。

しかし、AIを使えば、この作業が短時間で可能になります。クラスブログのディスカッション内容をPDF形式で出力し、GoogleのNotebookLMに入力することで、特に複雑な指示をしなくても、ボタン一つで要約を作成してくれます。その要約は精度が高く、それをもとに毎回のディスカッションのまとめを作り、学生にフィードバックすることができます。

学生にこのまとめを共有することで、自分が関与したディスカッション以外の議論内容を全体的に把握でき、議論の深まりや思考の進展が期待できます。また、要約を読んで感じたことや新たな考えを書いて提出させることで、さらにフィードバックを重ねることができます。このプロセスを通じて、単なる情報提供にとどまらない、学生自身の思考の深まりや広がりが促進されるのではないかと考えています。

以上のように、AIを授業に取り入れる方法として、学生個人とAIのやりとりや、学生同士のやりとりをAIに要約させ、それをもとに再度学生とAIが対話する仕組みを考えています。こうした仕組みを授業に組み込むことで、授業そのものがどのように変化するのか、来学期試してみたいと思っています。

初出:229 メモ | 来学期授業でのAI活用法(LISTEN, 2025.1.19)