実際の授業

2015年度前期「科学技術と現代社会」
金曜1限/土曜3限

授業内容(予定)授業内容(結果)備考
第1回
ガイダンス
(4/10)
(4/11)
(1)紙にプリントしたシラバスをOHCで見せながら,授業の概要を説明する
(2)私と高木仁三郎氏との出会いのエピソード(小出昭一郎ゼミでの講演会)を紹介…つい最近『高木仁三郎著作集』にその講演記録を発見したことも
(3)私が大学生のときに行った読書会の紹介…大学1年生学年末に読書会で読んだ本をつい最近発見。それが読書会で取り上げられたことは,大学生時代に書き続けた読書カードから分かったことも
(4)読書ノートを用意するように言う…読書ノートの見本(A5判)を見せる
とりとめのない話が続いたが,関心を持ってもらえたかどうか不明。スライドを用意しての整然とした講義ではなく,かなり即興的な話となった。私としては久しぶりの講義形態。

出席者数:
金1: 12名
土3: 26名
第2回
読書会とは/高木仁三郎について
(4/17)
(4/18)
(1)吉田新一郎『読書がさらに楽しくなるブッククラブ』(新評論,2013)の関係部分をOHCで見せながら,下記について説明する
– 読書会とは何か p.13
– 読書会の意義 p.14-15
– 本の読み方 p.205
– 話し合いの仕方 p.211-212
– 話し合う中身 p.215-216
(2)ビデオ・未来潮流「科学を人間の手に 高木仁三郎・闘病からのメッセージ」(NHK教育,1999.2.6放送)を45分に再編集して上映。オリジナルは,高木の現在の姿とこれまでの人生を交錯させて描いている。今回は分かりやすさを優先し,時間順に再編集した
金1クラス,授業の最初にテキストを買ったかどうか訪ねたら,2名しか買っていなかった。土3クラスはほとんどが買っていた。

第2回ビデオ感想文(金1)(pdf)
第2回ビデオ感想文(土3)(pdf)

[追記] 期末レポートで,「高木仁三郎のビデオを最初の回で見ると少しネタバレが多かったような感じがするので終わりの方の回で見た方が良いかなと思いました」という感想があった。
ガイダンスの教室は180名入る大教室(2901)だったが,60名の小教室(2802B)に変更。少人数のクラスにちょうど良い。

出席者数:
金1: 11名(内9名が登録)
土3: 22名(内20名が登録)

ビデオは教室のBDデッキを使おうとしたが,使い方がよくわからなかったので,持参したパソコンとDVDドライブを用いて上映。教室がちょうど良い暗さにならず,照明を消すと真っ暗になってしまうので,スクリーンが明るくなってしまったが,照明をつけたまま上映した。

4/16,生協から『高木仁三郎著作集』全12巻が届く。図書館から借りていた分は返却し,学生が利用できるようにする。
第3回
「序章 激変のなかで」を読む(1-16頁)
(4/24)
(4/25)
(1)前回ビデオ感想文返却
(2)ミニ・レッスン「読書会の進め方」
・プリント「読書会の進め方」(pdf)を配布し,説明する
(3)班分け
・ネームプレート作成…紙とペンを配り,書いてもらって回収する。
・ネームプレートをランダムに分けて,3〜5名程度の班を作る
・各班で1名世話役を指名し,班を作ってもらう。机も動かす(世話役のネームプレートには日付印を押し,毎回できるだけ違う人が世話役をするように配慮)
(4)読書会(序章)
・最初に簡単な自己紹介
・ミニ・レッスンで説明したやり方で進めてもらう
・キッチンタイマーをOHCで表示し,残り時間を表示した
(5)振り返り
・読書会を振り返り,感想を述べ合う
振り返りシート(pdf)に記入し,提出
(6)終了
・ネームプレートと振り返りシートを提出し,机を元に戻す。流れ解散
どちらのクラスも,班分け,読書会は思ったよりもスムーズに運んだ。学生に任せたが,きちんと動いてくれた。

読書会の正味時間は,約45分

第3回振り返りシート(金1)(pdf)
第3回振り返りシート(土3)(pdf)
出席者数:
金1: 6名(1班)
土3: 17名(4班)

金1は,他に2名が来たが,本を読んでこず,本を持ってきてもいなかったため,不参加となった。

プリント「読書会の進め方」は,吉田新一郎『読書がさらに楽しくなるブッククラブ』p.210-219(話し合いの仕方)をもとにまとめた。

振り返りシートは,同書p.224-225のチェックリストから項目を選んで作成した。振り返りシートの項目は,その後少しずつ変更した。
第4回
「第1章 敗戦と空っ風」を読む(17-40頁)
(5/1)
(5/2)
(1)入口にネームプレートを並べておき,自分のものを教卓に移すように言う(出欠確認)…次回以降も同様
(2)前回振り返りシート返却 →読書ノートに貼るように言う
(3)ミニ・レッスン「序章の読み方例(田中の場合)」
書き込みをした本と読書ノートをOHCで見せながら説明
(4)班分け
・ネームプレート作成(前回欠席者)
・ネームプレートをランダムに分けて,3〜5名程度の班を作る
・各班で1名世話役を指名し,班を作ってもらう
(5)読書会(第1章)
・最初に簡単な自己紹介
・前回同様に進める
(6)振り返り
・読書会を振り返り,感想を述べ合う
・振り返りシートに記入し,提出
(7)終了
ネームプレートと振り返りシートを提出し,机を元に戻す。流れ解散 …次回以降も同様
予定通り履修者が確定した:
金1: 13名
土3: 27名

出席者数:
金1: 7名(2班)
土3: 17名(4班)

[追記] 第4週から出席した学生がいる一方,第4週から出席しなくなった学生がいる。また,一度も出席しなかった学生もいる。

[追記] テキストは2クラス合計で34冊売れた(生協)。
第5回
「第2章 科学を志す」を読む(41-60頁)
(5/12)
(5/16)
(1)前回振り返りシート返却
(2)ミニ・レッスン
・これまでの振り返りシートに書かれたことを受けて,振り返りシート(pdf)を改訂
・第2章に関わる参考情報を提供(東大の進級システム)
(3)班分け
・ネームプレートをランダムに分けて,3〜5名程度の班を作る
・各班で1名世話役を指名し,班を作ってもらう
(4)読書会(第2章)
・最初に簡単な自己紹介
・前回同様に進める
(5)振り返り
・読書会を振り返り,感想を述べ合う
・振り返りシートに記入し,提出
予定通り出席者数:
金1: 8名(2班)
土3: 18名(5班)
第6回
「第3章 原子炉の傍らで」を読む(61-88頁)
(5/15)
(5/16)
(1)前回振り返りシート返却
(2)班分け
・ネームプレートをランダムに分けて,3〜5名程度の班を作る
・各班で1名世話役を指名し,班を作ってもらう
(3)グループワーク
今回扱う時代(1959-1964年頃)について,知っていること,重要な出来事を挙げる(5分) →各班から発表
(4)読書会(第3章)
・最初に簡単な自己紹介
・前回同様に進める
(5)振り返り
・読書会を振り返り,感想を述べ合う
・振り返りシートに記入し,提出
予定通り出席者数:
金1: 6名(2班)
土3: 16名(4班)
第7回
「第4章 海に,そして山に」を読む(89-111頁)
(5/22)
(5/23)
(1)前回振り返りシート返却
(2)今回の振り返りシート(pdf)の改訂について
(3)班分け
・ネームプレートをランダムに分けて,3〜5名程度の班を作る
・各班で1名世話役を指名し,班を作ってもらう
(4)読書会(第4章)
・最初に簡単な自己紹介
・興味を持った部分について話し合う(1〜2巡)
(5)グループワーク
深く考えられる問いを出し合う →その問いについて話し合う
(6)振り返り
・読書会を振り返り,感想を述べ合う
・振り返りシートに記入し,提出
予定通り出席者数:
金1: 8名(2班)
土3: 11名(3班)

読書会で,議論を深めることができていないような気がしたので,途中で区切って,深く考えられる問いを考えさせてみた。あまり良い問いは出てこなかった。

[追記] 期末レポートでは,次のような感想を書く者がいた。「強制的に後半にまとめのテーマについて話し合うというのは嫌でした。自然な流れで話すことになるのならいいのですが。他にも章のおさらいとしてサブタイトルに注目して内容の再確認などテーマ出しではなく章の内容の全体確認を話し合いながら行うことによって新たなテーマが生まれそれについて話し合うなどもしたかったです」。
第8回
中間での振り返り
(5/29)
(5/30)
(1)前回振り返りシート返却
(2)班分け
・ネームプレートをランダムに分けて,3〜5名程度の班を作る
・各班で1名世話役を指名し,班を作ってもらう
(3)ビデオ・NHKスペシャル「戦後50年 その時に日本は 第6回 大学紛争 東大全共闘・26年後の証言」(1995.9.2放送)
60分全部見る
(4)グループワーク
ビデオの感想を自由に話し合う
予定通り出席者数:
金1: 8名(2班)
土3: 18名(5班)

当初の予定では,中間での振り返りを行うつもりだったが,教員からの情報提供の少なさが気になっており,特に大学紛争については,今の学生は安田講堂の攻防戦のニュース映像くらいしか知らないと思われるので,当時の学生の手記と,当時学生だった人たちへのインタビューで構成された番組をじっくり見てもらった。1時間ずっと集中してテレビ番組を観るのは,一部の学生にはつらそうだった。
第9回
「第5章 三里塚と宮澤賢治」を読む(113-134頁)
(6/5)
(6/6)
(1)班分け
(2)グループ討論
・大学紛争において学生たちが問いかけたことは何だったのか? 学生たちは,学問や大学の何を問題としたのか?(10分)
・各班代表が討論内容を発表(5分)
(3)読書会(第5章)
(4)振り返り
予定通り出席者数:
金1: 5名(1班)
土3: 16名(4班)

前回ビデオで観たことを受けて,意見交換をしてもらった。今回読む部分と密接に関連するため。ただ,それにより読書会の議論が深まったかどうかは不明。 
第10回
「第6章 原子力資料情報室」を読む(135-159頁)
(6/12)
(6/13)
(1)前回振り返りシート返却
(2)班分け
(3)グループ討論
これまで読んだ内容からうかがえる“現代の科学技術の特徴”は何か?(15分)
(4)読書会(第6章)
(5)振り返り 
予定通り出席者数:
金1: 7名(2班)
土3: 15名(4班)
第11回
「第7章 専門家と市民のはざまで」を読む(163-194頁)
(6/19)
(6/20)
(1)前回振り返りシート返却
(2)班分け
(3)読書会(第7章)
興味を持った部分について話し合う(1〜2巡)
(4)グループワーク
深く考えられる問いを出し合う →その問いについて話し合う
(5)振り返り
予定通り出席者数:
金1: 6名(2班)
土3: 15名(4班)

第7週と同じ方式をとってみた。
第12回
「第8章 わが人生にとっての反原発」を読む(195-223頁)
(6/26)
(6/27)
(1)前回振り返りシート返却
(2)期末レポート課題の説明
プリント(pdf)を配布して説明
・同じ説明は,UNIPA上のシラバスにも掲載
(3)班分け
(4)読書会(第8章)
(5)振り返り
予定通り出席者数:
金1: 6名(2班)
土3: 14名(4班)
第13回
「終章 希望をつなぐ」を読む(225-258頁)
(7/3)
(7/11)
(1)前回振り返りシート返却
(2)班分け
(3)読書会(終章)(30分)
(4)グループワーク
・次回「総括討論」で討論したいテーマ(問い)を出し合う(各班3つずつ) →A4の紙に書く(20分)
・各班からOHCで発表(15分)
(5)振り返り
(1)予定通り
(2)予定通り
(3)予定通り
(4)本全体についての話し合い
(5)予定通り
*授業後半は,本全体の感想を語り合う時間に変更した。
出席者数:
金1: 6名(1班)
土3: 14名(4班)
第14回
総括討論
(7/10)
(7/18)
(1)前回振り返りシート返却
(2)班分け
(3)総括討論
1. 現代の科学技術の特徴・問題点とは何か?
2. 現代の科学技術の問題について,どう対応すべきか(どう対応したいか)?
(4)読書会について
1. この授業で体験した読書会について,どんな感想を持ちましたか?
2. 授業で読書会をすることについて,どう思いますか?
3. その他,読書会について,みなさんの意見を聞かせてください。
(5)本日の感想
B6用紙に書いてもらう
(6)期末レポート提出
読書会については省略。次回に回すことにした。

土3クラスでは,総括討論のグループの規模について受講者の希望を聞き,中規模(7名の班2つ)で行うことにした。

土3クラスで人数が多い班は初めてであったが,問題なかった。
出席者数:
金1: 6名(1班)
土3: 14名(2班)
第15回
まとめ
(7/17)
(7/25)
(1)前回総括討論の感想を紹介(3名分)→返却
(2)期末レポートの紹介
よく書けているものをいくつか選び,OHCで見せながら読んで紹介
(3)読書会について
感想や意見を聞く
(4)授業アンケート
大学で実施している共通フォーマットのアンケートを実施
予定通り

読書会についての意見や提案を授業アンケートの自由記述欄に書くよう促した。

授業アンケート結果(金1)(pdf)
授業アンケート結果(土3)(pdf)
出席者数:
金1: 7名
土3: 11名

今学期から,勤務校では授業アンケートの結果に対して「所見票」の提出を求められることとなった。そこで,左記のアンケート結果について以下の所見票を作成した。これは後日学内で公開される予定。
所見票(金1)(pdf)
所見票(土3)(pdf)