山崎正勝・日野川静枝編著『原爆はこうして開発された』青木書店,1990.7.25,228+34p,本体2300円
人名索引,資料4点,文献資料解題,本書で引用した写真・図の出所一覧を含む。
2008.8.9読了。増補版(255+37p)が1997.5に出ているが,手元になかったのでとりあえず旧版を読む。1938年のウラン核分裂発見から1940年代後半までの原爆開発に関する歴史をまとめている。詳細な注はなく,一般向けの書物である。しかし,巻末に一次資料を含めた資料紹介があり,研究の出発点として有用な情報を与えてくれる。また,本文中の小見出しおよび欄外の脚注と関係写真は本書を大変読みやすいものとしている。
本書は次の二つの科研費研究の成果の一部であり,その報告書と関連研究論文を見ればより詳細な情報が得られるはずである。それらの書誌情報は本書文献資料解題に載っている(30-31頁)。
本書増補版には,1997年までの追加情報が載っているはずである。さらにそれから10年が経っているので,その間の情報は,本書執筆者たちのその後の研究論文等を参照する必要があるだろう。
山崎氏を初めとするこの研究グループの関心は,一方では戦後の冷戦時代に,また他方ではアメリカ以外のドイツや日本に向かったようである。そうした研究からも多くを学びたい。