東日本大震災から7年。今日も恒例の放射能測定を行った。
庭にある木の根元の土を毎年測っているが,今年は419Bq/kgと低めだった。昨年3.11は1409Bq/kg1。2012.11.24に測った時は1247Bq/kgであり,これまでで一番低かった。新たな土を被せたりもしているので,様々な要因により変動するのだが,それでも我が家の周辺で比較的放射能レベルが高い部分が減ったのは良い兆候と考えたい。
さらに,ベランダの排水口などに溜まっている土と枯葉も測った。こちらは2012Bq/kgで,かなり高い。昨年3.11は4410Bq/kgだったので,半減しているが,依然として周囲には一定の放射性物質が存在し,それが自然の循環で局所に集まってくることを示している。2012.11.25に測った時は,20000Bq/kgを超えたが,その後も1000の単位で推移している。今後全体量は減っていくのであろうが,それが雨風で集まればそれなりの濃度に濃縮される。
ちなみに,土の測定は食品測定用のPolimaster PM1406を使っているので正確ではなく,放射性セシウム以外の核種の出す放射線も込みで測っている。絶対値ではなく経年変化が参考になるのだ。
ついでに空間線量も測ったが,室内では0.04μSv/h,室外では0.05μSv/hくらいで,これは2011年8月がそれぞれ0.05, 0.10くらいだったから,周囲の線量は半分くらいに減っている(測定器はシンチレーション式のクリアパルス製A2700,通称Mr. Gamma)。その後購入したGM管式のTERRA-Nで測ったら,室内0.08, 室外0.09くらい。
震災以降,放射能災害に備えていろいろな対策を取っているが,その一つとして,ガイガーカウンターTERRA-Nを通勤鞄に常時入れておくことは未だに続けている。ここ数年,自宅と職場の間では大体0.07μSv/h前後で安定している。0.3以上になるとアラームが鳴るようになっているが,電車に乗っていても時々鳴り出すことがあった(最近はない)。また,大雨の時なども鳴り出すことがある(恐らく大気中のラドンの影響)。瞬間的に0.3を超えることは現在でもごくまれにある。
放射能は目に見えないために,リスクを管理するには測るしかない。微量の放射能は素人では測りにくいが,可能な範囲で常に測っているとある種の“相場観”を持つことができ,余計な不安を持たないで済む。
もし,原発爆発時,今持っているような測定器を持っていたら,3/15や3/22には外出しなかったはず。3/15当時,ネットを通じて関東の放射線量の急上昇は分かっていたのに2,翌3/16にマスクもせずに液状化による砂塵が舞う中,買い出しに行ったことが今では悔やまれる3。また,3/22に金町浄水場などで放射性ヨウ素が検出されたことが3/23に報道されたが,このときも屋内待避が必要だったことは当時思い至らなかった。当時ガイガーカウンターを持っていれば,より適切にリスク管理ができただろう。
放射能災害に対する対策は,放射能測定器だけではなく,放射能自体を防ぐためのものも必要だが,これはまだ十分できていない。少し性能の良い防塵マスクとゴーグルは買ったが,防護服も必要だろう。また,安定ヨウ素剤も買っておいた方がいい。
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注
- 私が住んでいるあたりの土壌放射能は大体数百Bq/kg程度。みんなのデータサイトで調べると,2018年の時点で224Bq/kgという値があった。
- 情報源は,日野市にあるナチュラル研究所のサイト。当時私が見た急上昇のグラフも保存されている。
- ちなみに,放射線量の上昇を観測した米軍は横須賀・厚木の基地に住む人々に予防措置として屋内待避を指示していた(Stars and Stiripes, 2011.3.15)。日本政府は,関東地方住民に何の指示もしなかったのだが。