今学期も,授業が終わりかけた時点で授業の反省をする。
全体的に
今学期は,新規科目はなかったものの,新しい試みをいくつか行ったため,授業準備の忙しさは例年とさほど変わらなかった。しかし,授業に支障が生じるようなことはなく,全体的に一定の水準を保つことができたと思う。
配付資料
今学期の新しい試みの第一は,パワーポイントのスライドで見せた内容の文字部分のみを印刷した資料を毎回配布したことだ。教科書に沿って進めたフレッシュマンセミナー以外のすべての科目で実行した。ノートをとる労力を省き,講義を聴くことに集中できるようにとの配慮からである。しかし,ノートをとる必要が少なくなると,気がゆるんだり,眠くなったりしてかえって良くないかも知れない。配付資料の是非については,受講生の様子や意見なども参考にして判断していきたい。
ビデオ
今学期の新しい試みの第二は,授業で見せるビデオをDVDから再生するのではなく,mpegファイルに変換してパソコンで再生するようにしたことである。これは学生からするとほとんど変化はないように見えるかも知れないが,ディスクの入れ替え時間が省けたり,ディスク交換時のパソコンのフリーズがなくなったりと,よりスムーズな授業進行が実現できた。
授業内レポート方式について
今学期は,毎回の授業でテーマを与えてレポートを書いてもらう「授業内レポート方式」は採用しなかった。毎週大量のレポートの採点をする余裕がなくなったためである。しかし,「科学の社会史」では計3回,「技術者倫理」では計2回の授業の最中にレポートを書いてもらった。簡略化した授業内レポートということもできよう。レポートは次の回までに採点し,簡単なコメントを付して返却した。レポートは回数を重ねるごとに良くなっている。
授業サイトについて
今学期も,WordPressを用いたシンプルなサイトを構築。デザインは先学期と同じである。授業評価アンケートの結果を見ないと正確には分からないが,今学期も授業サイトを利用した受講者は少なかったようだ。授業サイトを使わせる工夫をしない限り,この傾向を変えることはできないようだ。
講義について
授業方法は,先学期と変えていない。基本的にパワーポイントを見せながら解説し,時々ビデオを見せるというものである。レポートを書く回以外は,講義時間が約1時間で,残りはコメント(小レポート)の紹介とコメントの執筆に充てられた。
「科学技術コミュニケーション」の内容について
昨年度とほぼ同様の内容を行う予定だったが,5月頃から社会問題になった新型インフルエンザに関するリスクコミュニケーションの話題を急遽取り入れた。
「フレッシュマンセミナー」の内容について
今年度から市販本の教科書『フレッシュマンセミナーテキスト』(東京電機大学出版局発行)を使うことになり,ほぼ教科書に沿った授業を行った。それに伴い,本学の歴史に関する内容はほとんど取り扱うことができなかった。それでも,教科書の内容をすべて時間内にこなすことは難しく,どこかをうまく省略ないし簡略化する工夫をしなければならない。
「科学の社会史」「科学技術と倫理」「技術者倫理」の内容について
前年度とほぼ同じ内容。前年度の教材をそのまま使ったので,授業の準備は比較的楽だったが,配付資料の作成・印刷とDVDからmpegファイルへの変換にはそれなりの手間と時間がかかった。
成績評価について
今学期も,定期試験は実施せず,授業内レポートなどレポートでの評価をメインにしている。これまで,全体的にかなり良い成績となったが,今学期も同様の傾向となることを予測している。