'10年度前期 授業の反省

 まだ授業評価アンケートの集計・分析は済んでいないが,授業の反省をする。

全体的に

 今学期は,複数の科目で新しい内容を取り入れたため,授業準備に追われて大変忙しかった。

技術者倫理 →授業サイト

 今学期の授業でもっとも内容を大きく変えたのが技術者倫理だ。これまで5年間にわたって使用してきた教科書『誇り高い技術者になろう』の代わりに,『はじめての工学倫理』を用いた。この教科書は,前半にたくさんの事例が載っているので,事例中心の授業を進める上ではとても使いよい。授業では,ビデオを用意できる事例ではビデオを観ることも取り入れながら,また教科書に載っていない事例も紹介しながら事例中心の授業を試みた。少人数のクラスなので,意見交換や討論を取り入れた授業にしようと思い,少しは実現できたが,まだ不十分だ。この形の授業をもう少し続けて,改善を図りたい。また,今学期は基本的な知識を問う試験を実施した。

フレッシュマンセミナー

 フレッシュマンセミナーは,昨年度に市販本のテキストができて,今年もそれを使った授業をすることになったのだが,私としてはそのとおりに進めることに満足できず,かなり大胆に内容を組み替えた。その際,レポート作成を全面的に授業の中心に置いた。もともとは,レポート作成は後半の授業の柱であり,前半は必ずしもレポート作成とは絡めていなかった。より一貫した内容になるように努めたのである。そのため,テキストに準じる程度に書き込んだ独自の講義メモを作成した。もちろん,最終的にはテキストの内容をほぼすべてカバーした授業となったはずである。この新しい取り組みの評価は,成績評価と授業評価の結果を踏まえて行わなければならない。

科学の社会史

 科学の社会史では,前年度の簡略化した授業内レポート方式をとりやめ,中間と期末の試験を行うことにした。ただし,中間試験は試験として点数化はせず,通常の小レポートと同じ扱いにした。試験では,毎回の授業で配布する参考資料を利用して解答するような記述式問題を出題し,確実に参考資料を読むように仕向けた。なお,試験での参考資料の持ち込みは可としたので,暗記は全く必要ない。答案の書き方には,まだかなり改善の余地があるものの,少なくとも資料を読んで理解することを促す効果はあったものと思われる。今学期は,毎回配布する参考資料を用意するのにかなり労力がかかった。

科学技術コミュニケーション

 今学期も,全体としての構成はこれまでと同じだが,昨年度に取り扱った新型インフルエンザの話題に代えて,今学期はその前に扱っていたBSE問題を復活させた。また,これまではこの科目では試験は行ってこなかったが,今学期は試験をやってみた。その是非は成績評価の分析を行った上で判断したい。

授業ラジオ

 今学期も,先学期と同様に「科学の社会史」の講義と「科学技術と倫理」のコメント読み上げ部分の録音データを授業サイトで聴けるようにした。利用した学生は必ずしも多くはないが,ゼロではないため,もう少し続けてみたい。

定期試験

 すでに触れたが,今学期は「科学の社会史」「科学技術コミュニケーション」「技術者倫理」で定期試験を実施した。これはかなり久しぶりのことである。持ち込み可にしたり,問題を基本的なことに絞ったりしたため,全体的な成績はそれほど悪くなかった。以前は,あまりにも出来が悪いため,試験を辞めてしまったのだが,今回はまあまあの出来だったので,もう少し続けてみたい。

【天気】雨。