第4章まで読了。執筆に関するミニレッスン。
ナンシー・アトウェル(小坂敦子・澤田英輔・吉田新一郎編訳)『イン・ザ・ミドル—ナンシー・アトウェルの教室』三省堂,2018年,368頁(原書第3版2015年)
第4章 書き手を育てるミニ・レッスン
今学期は本書を参考に,執筆に関して以下のようなミニレッスンを行った。
- 書評の書き方
- 書評でよく使う言い回し
- 書評を書く手順*
- 執筆ワークショップのサイクル*
- 執筆ワークショップで期待すること*
- 執筆ワークショップのルール*
- 査読用紙*
- 編集会議の進め方
- 良いレポートの特徴
- 信頼できる資料の探し方
- 要約と引用
- 推敲と改稿
- 剽窃について
上記の*が付いた項目は,本書の内容をかなり参考にしたが,それ以外については,独自に考えた。特に,アトウェルがピアカンファランスとして行っていることを査読という形をとって実施したことは大きな変更だ。査読コメントの書き方についてのミニレッスンを行っていないため不十分ではあるが,互いが原稿を読んでコメントし合うことを執筆の過程に組み込んだことは悪くなかったように思う。
本書に出ていた「それで?の法則」その他様々な法則(ルール)については,時間があればやりたかったが,今学期は上記の最低限のミニレッスンを行うのが精一杯だった。十数回の授業で読書と執筆の両方のミニレッスンを十分に行うのは時間的にかなり難しい。しかし,1コマの授業で読書と執筆の両方について時間をとり,それぞれに短いミニレッスンを行うなら,もう少し内容を増やすことは可能だろう。また,ミニレッスンの内容が書かれているハンドブックを用意して,必要に応じて参照させることも効果があると思う。
書き言葉の慣習(約束事)については,引用や出典表示についてはミニレッスンで扱ったが,それ以外は個別対応(クラスブログへの投稿へのコメント)を行った。これも,アトウェルのように「校正項目リスト」を作成させて,意識的に校正させることが効果的だと思う。今後の課題だ。
授業後半のミニレッスンはみな執筆に関することとなってしまい,その分読書に関するミニレッスンが疎かになってしまった。これも,前述の通り,1コマの授業で読書と執筆の両方について行えるようになれば,改善されるだろう。
【天気】晴れ。最低気温が0度くらいとなった。