第20回大学教育研究フォーラム

 3/18, 19の2日間,京都大学で開催された第20回大学教育研究フォーラムに参加した。第3期MOSTフェロー掲示板に書き込んだ内容を以下に転載する。

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私はこのMOSTフェローミーティングに参加させて頂くのを機会に,その直前に開催された第20回大学教育研究フォーラムの2日間のプログラムにも参加させて頂きました。その感想を忘れないうちに書き留めて,共有させて頂ければと思います。

実は,第20回となるこのフォーラムに参加させて頂いたのは10年ぶり,3回目です。最初が,2003年の第3回大学教育研究集会(午前)と第10回大学教育改革フォーラム(午後)で,当時は1日のプログラムでした。次が,翌2004年の第11回大学教育研究フォーラムで,この年から現在の2日間のプログラムになったようです。当時私は福岡教育大学のFD担当となり,どうやって全学的なFDを進めていけばよいかを考えていました。京大のフォーラムは,他大学の動向を探るといった目的で参加したのですが,ともかく参加者みんなが熱いのに圧倒された記憶があります。

2005年に東京に移り,新しい環境で仕事をするのに手一杯で,京大のフォーラムに参加したいとは思いつつ,果たせぬままに10年が過ぎました。今回,久しぶりにフォーラムに参加させて頂きましたが,参加者が熱いのはまったく変わっていなかったのが嬉しかったし,懐かしかったです。

今回私が参加したセッションは,IRやLA関係のものが多かったです。というのも,やはり本学でも今年度からIR担当部署ができて,来年度から運用が始まるため,現状を知っておきたいということがありました。ちなみに,私自身はIR担当ということではありません。しかし,授業アンケートの改善については関わっていて,つい最近,授業アンケートの活用法について検討したので,多少関係はあるかと思っています。

LAについては,今回のフォーラムで初めて知った言葉でした。私は,授業SNSを使っていますので,データはそれなりに集まります。それを分析したら何か有用な結果が得られるのではないかと思い始めています。今回のMOSTフェローの課題には入れていなかったのですが,可能なら少し取り組んでみたいと思っています。

1日目午後のシンポジウムはとても面白かったです。私の関心からは,最初の新潟大学歯学部の取り組みが特に参考になりました。ともかく,学習成果をどう評価するかということが私の今回の大きな課題ですので。

飯吉先生・酒井先生の小講演では,クリッカーを体験できたのがよかったです。初めて触りました。私の授業では,パソコンを使わせていますので,クリッカーを使うことはないでしょうが,パソコンを使わない授業では非常に有効なツールだと思いました。

2日目午前は,e-Learningのセッションに参加しました。これが私の実践に最も近いかなと思います。特にcMOOC (connectivist MOOC)の話に興味を持ちました。少し勉強したいと思います。

参加者企画セッションは,当初学生FDの方に参加しようかと思っていました。というのも,IR, LAといった学生を客体として扱うような手法に対して,学生を主体として扱う学生FDのような手法についても深めておきたいと思ったからです。しかし,今回初めて知ったLAについてもっと勉強したいと思い,LAのセッションに参加しました。発表もためになりましたが,後半のワールドカフェ方式を体験できたのも良かったです。見聞きはしていましたが,実際に自分でやってみるとその良さがよく分かるのはクリッカーの場合と同じです。

さて,最後に今回のフォーラムでは異色の講演の一つだと思いますが,2日目の小講演で藤本夕衣さんの「『大きな問い』を失った大学」も良かったです。きちんと設計され最適化された授業を理想とする授業観に対する違和感の表明は,たぶん多くの参加者の気になることだったのだと思います。会場は大入り満員でした。

参加できなかったセッションもたくさんあり,暇を見つけてフォーラムの予稿集を読んでみたいと思います。

このような有意義なフォーラムを毎年主催するのは大変なご苦労があると思います。スタッフの皆様,ありがとうございました。