学生を思考にいざなうレポート課題

成瀬尚志編『学生を思考にいざなうレポート課題』ひつじ書房,2016年,168頁。

2018年1月12日読了。

レポートの論題(レポート課題)について論じた本。剽窃を防ぎ,学生に創意工夫を促す論題とはどのようなものかが類型化されて示されている。さらには,しっかりとしたレポートを書かせるための授業案や評価方法(ルーブリックを用いた)についても書かれている。

ポイントは,学生が創意工夫を生かせるような自由度を適度に与えることだと思われる。具体的には次の9種類が挙げられていた。

  1. 文体(形式)指定型
  2. 分解・抽出型
  3. 具体例提示型
  4. 学習プロセス型
  5. before-after型
  6. コメント要求型
  7. 解釈・評価型
  8. 応用型
  9. 情報収集型

どれも,レポートの素材をそのまま転用することができないような論題となっている。つまり,ネット検索して,適当な文章をコピペして済ませることはできない。

私が考えているソーシャルラーニングは基本的にコメント要求型となるのだが,その他の要素を組み合わせてさらに創意工夫を促すことができそうだ。本書に挙げられたもの以外の論題の種類もあるだろうから,今後さらに考えていきたい。