PM1406

11/20に食品放射能測定器Polimaster PM1406が届いた。食品の放射能測定については,昨年夏から何とか自分で測れないものかと実験を繰り返してきた。その過程で,いろいろ機器や道具を買い,放射能測定の知識も多少勉強してきたが,結局,食品放射能測定用の機械を買うしかないという結論に至った。少し前までは,100万円以上したが,最近何とか手の届きそうな価格帯のものが売り出され始めている。今回,いろいろ考えた末に,PM1406を購入することにした。

食品放射能を測る測定器としては,セシウムとカリウムの放射能を区別できないといけない。したがって,ガイガーカウンター(GM管)ではだめだ。シンチレーション式であっても,γ線のエネルギー毎にカウントを区別できないといけない。さらに,効率よく放射能を測るには,マリネリ容器が使えるものでないとだめだ。できれば,スペクトルが見られると良い。こうした条件をクリアするためには,食品放射能測定専用の機械を買うしかないのだ。いま思えば,当たり前のことだが,ここに至るまでにずいぶんかかった。

その紆余曲折の過程で,背景放射線の遮蔽用に買った鉄製の容器と鉛の板が今回のPM1406を使う上でも役だった。この測定器は,小さな鉛の容器(それでも20kgはある)の中にセンサーとマリネリ容器を入れて測るのだが,その鉛容器ごと鉄の容器に入れてしまい,その下や上,また中に鉛板を合計10枚配置すると,かなり背景放射線の遮蔽が強化される(遮蔽前の空間線量0.05μSv/hが,製品に付いている鉛遮蔽容器で0.002μSv/hになり,それを鉄の容器と鉛板でさらに遮蔽すると0.001μSv/h以下にまで下がる)。鉛板設置の図

この装置で,10Bq/kgを超えるかどうかを約4時間(以内)で判定できる。ほとんど放射能を含まないものだと,10分程度測れば確認できる。PM1406に付いている鉛容器の遮蔽だけだと,説明書によれば10Bq/kgの判定は約10時間かかるというので,半分以下に時間短縮できている。

この製品は,ベラルーシのPolimasterという有名な会社の製品だが,利用者による情報がこれまであまりなかったので,購入を躊躇している人も多いかと思う(私もそうだった)。最近@mikage氏のレビューが公開され,購入に伴う不安はかなり減った。決して安い買い物ではないが,食品放射能を測りたいなら最低このレベルの性能を持ったものが必要だ。

私が昨年夏に初めて入手したガイガーカウンターは4万円以上したが,同じものが今では1万円以下で売られている。食品放射能測定器も今後値下がりするであろうか。

12/22追記
私の予想より早く値下がりが始まったようだ。今日見たら、私が買った時より14万円も下がっていた。これで、多くの人にとって買いやすくなったのではないだろうか。

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