新・核の時代 第2回 アメリカ 残された核超大国の苦悩

  • NHKスペシヤル「新・核の時代 第2回 アメリカ 残された核超大国の苦悩」1994.8.7, NHK総合, 75分

 湾岸戦争で明らかになったイラク、突然発表された南アフリカの核兵器開発計画、そして、世界が注視する北朝鮮。こうした核の現場にはなぜかアメリカがいた。
 1970年に発効した核拡散防止条約NPTは、アメリカ、ソ連、イギリス、フランス、中国の5ヵ国だけに核保有を認め、それ以外の国には認めない差別条約だった。NPTには25年という期限があり、それが来年に迫っている。来年NPTを延長できるかどうかが、核兵器の世界の秩序を守れるかどうかの鍵だとアメリカは考えている。冷戦終終結で、核の時代は新しく、より危険な時代に突入しようとしている。自国の核は持ち続けながら、他の国には核を持たせないよう核の番人としての世界に君臨し続けようとするアメリカ。その矛盾を抱えたアメリカの姿を、イラク、南アフリカ、北朝鮮との攻防戦、そしてアメリカ国内の内部抗争をインサイドストーリーとして、核の現場、核政策の責任者の生々しいインタビューをもとに浮び上がらせ、アメリカ1国だけでなく、全人類が対処しなければならない新しい核の時代の課題を明らかにする。
 キャスター 平野次郎
 語り 長谷川勝彦

 
出典:http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10001200999408070130072/

 クリントン政権のアスピン国防長官がアメリカの核の力を弱めるような新核戦略を目指したこと,また核関連技術を米国自らがイラクを含む様々な国に輸出していることが印象に残った。また,IPPNW(核戦争防止国際医師会議)による国際司法裁判所への働きかけやNPT(核拡散防止条約)の1995年期限切れのその後も気になる。