学生による授業評価アンケートの集計結果が返ってきはじめたので,独自の再集計を始めた。その結果を知るのは,私の一つの楽しみである。
まずは,受講者が最も多い「技術の社会史」から。事務がやってくれる集計はクラス毎なので,同一科目を3クラスで担当していると,全体としてはどうなのかを知りたくなる。そこで,3クラス分合計するとともに,グラフの書き方も変えている。事務が出してくれるのは,評価項目間のバラツキ(強い点,弱い点)を明らかにするレーダーチャート型のグラフだが,これはあまり役に立たない。というのも,だいたい毎学期同じ傾向が出るので,数学期実施すると,そのグラフから新しい情報を得ることは難しくなるからだ。
では,こうしたアンケートが無駄かというとそうではない。同じ科目で,学期毎の変化が分かるグラフを作成すればよいのである。本日私が作ったグラフは,次のようなものである。
・2010年度後期「技術の社会史」授業評価アンケート集計結果(グラフ)
・「技術の社会史」授業評価結果の推移(2005年度〜2010年度)(グラフ)
最初のグラフは,3クラスを合計して全体の傾向をつかみ,また各項目での回答割合を知るために作っている。また,後の方の推移のグラフを作ると,学期毎の変化が一目瞭然だ。この科目については,幸い評価が上昇傾向なので,報われた気がする。もちろん評価が下がった場合も,その原因を探るのにこれらのグラフは多いに役立つのだが。
今学期の「技術の社会史」のアンケート結果で注目べき点は,授業サイトの利用頻度の結果がこれまでに比べて非常に高くなっていることだ。おそらく,それが他の評価項目の評価をも上げているのではないかと推測する。なぜ学生が授業サイトを利用するようになったのかと考えてみると,今学期に新たに始めたことは,授業資料を紙に印刷して配付することに代えて,授業サイトにPDFファイルを掲載することにしたことである。これまでも資料はサイトに掲載していたが,紙の資料を配っていたために,学生はサイトを利用せずに済んでしまっていたと思われる。しかし,今学期はサイトを見ないと授業資料を入手できず,しかもその資料は授業中のレポート作成にときに参照しても良いということにしていたから,多くの学生が授業資料を入手するためにサイトを利用したのだと思う。そして,ついでにそこに掲載されている情報,特に講義の録音ファイルは,復習や欠席時の自習に役立つことを知った学生も多かっただろう。
今回唯一評価が下がっている項目は学習支援だが,これは紙資料の配付をしなかったことの結果なのかも知れない。教員が紙の資料を毎回配付すれば,学生は自ら何の準備をしなくても資料を入手できるのだから,その方が便利だという学生もいるかと思う。しかし,今は学生が授業サイトを利用するようにしむけることを優先したいと思っている。
【天気】曇りのち晴れ。朝は一面の雪景色だった。