一方的に講義を聴き,そこで理解したことや考えたことを試験で検査するという方法に代わる新たな教育方法を考えている。今考えているのは,ブログの活用だ。学期中の授業に関連する自らの研究の過程をブログに記録・公表させるのだ。
ブログは,文章を書く練習になるだけでなく,書く過程でいろいろ考えることにもなるだろう。また,書いたことを学生同士で互いに読み合い,コメントし合うことで,互いの考えが発展し,また相手に分かる文章を書くきっかけにもなる。試験やレポートのように最終成果だけで評価するのではなく,プロセス自体を評価することができる。学生は,従来の試験やレポートでよくなされる一夜漬け的な対応はできなくなる。
多人数のクラスでこれをやると,教員の負担が大きくなる恐れがある。学期に複数回のレポート添削をやって懲りているので,何かうまい方法を考えなければならない。そこで,次のような評価の方法を考えてみた。
- ブログ点:自分のブログのエントリーの数に比例して与える。
- コメント点:他人のブログエントリーに対するコメントおよびコメントに対するコメントの数に比例して与える。学生は少人数に班に分け,班内のメンバー相互でコメントをつけさせるようにする。班は学期中に何度か入れ替え,班員の当たり外れの弊害をできるだけ小さくする。
- 「いいね!」点:各エントリーに与えられた「いいね!」の数に比例して与える。
これならば,教員はブログエントリー全部を読んで評価する必要はない。評価は,受講者相互のコメントおよび「いいね!」によって日常的に与えられる。もちろん,教員も全体をそれなりに把握して,できる範囲でアドバイスや評価をしていくことになる。
こうしたことを実際にやるためのシステムとしては,私がいまこのブログを書くために使っているWordPressを使うのが好都合だ。「いいね!」の機能を追加するために,適当なプラグインを探してみたところ,WP Likesというのが見つかった。使い勝手を試すため,とりあえずこのブログに設置してみた。
問題は,どのような課題を設定させ,教員からはどのような情報提供や支援をするかということだ。授業サイトをどのように構築し,毎週の授業では何をするかも考えなければならない。