2019年上半期の読書を振り返る

私が今年(2019年)7月までに読了した本は25冊。読みかけた本を含めると35冊。自分のために振り返る。

電子書籍については以前から関心をもち,Kindleなど電子書籍を読むことは普通に行ってきたが,ウェブブラウザーがあれば読める電子書籍を提供しているボイジャー社の萩野正昭の本,『これからの本の話をしよう』(2019年)などは,ボイジャー社が電子書籍と格闘して到達した現時点のあり方を理解する上で役に立った。関連して,津野海太郎『電子本をバカにする亡かれ』(2010年)や秦隆司『ベストセラーはもういらない』(2018年)も参考になった。

私の専門に関する分野の本では,中岡哲郎の本を系統的に読んでいる。科学技術史を学ぶ者としては遅きに失しているのだが。三一新書の『現代における思想と行動』(1960年)は中岡の原点を知る上で参考になった。『工場の哲学』(1971年)や『技術を考える13章』(1979年)といった技術論の考察は,技術史の見方に示唆を与えるものだ。そうした技術論がどのように歴史的な事例研究に適用されていくか,さらに著作を読み継いでいきたい。

昨年度に引き続き,教育関係,特に国語教育関係の本も読んでいる。アトウェル流の読書・執筆ワークショップを授業でやることは挫折したのだが,その代わりにウィギンズ『最高の授業』(2018年)で紹介されたスパイダー討論を試してみてうまく行ったので,これを一つの柱にしたいと思っている。討論と並んで,資料読解や文章執筆も大事なので,アロンソン他『ジグソー法ってなに?』(2016年)やGraff/Birkenstein, They Say/I Say (4th ed. 2018)も読んで,聞く・読む・話す・書くの4技能を関連付けた授業を行いたいと考えている。なお,グループ活動にはアイスブレイクなどいろいろな技を取り入れる必要を感じて,その手のノウハウ満載のKagan Cooperative Learning (2015)を読みつつある。

(以上敬称略)

今年後半は,自分の研究に関する本を読んでいきたい。

【天気】晴れ。明日から一斉休暇。