後期の各科目の振り返りシートを読んでいる。最終回の授業では,今学期全体を振り返り,受講前と受講後で自分の何が変わったか,今後何をしたいかを書いてもらっている。これがとても良いのだ。
今学期の振り返りシートは,大福帳方式といって,A4判1枚の紙両面に,各回の授業の振り返りと,学期初めの目標,中間での振り返り,学期末の振り返りが書けるように欄を設けたものだ。最後の学期末の振り返りは少し欄を大きく取っており,たくさん書いてもらっている1。
毎学期,私の授業は学生にとって意味のあるものだったのだろうかと疑問を感じることがよくある。特に,学力考査をして,得点があまり芳しくない学生にとって,この授業は何だったのだろうかと思うのだ。
振り返りシートの学期末の振り返りには,この授業を受けて自分の何が変わったかを書いてくれている。ごく稀に,何も変わらなかったと書く学生もいるが,ほとんどの学生は,私がこの授業で学んで欲しいと思っていたことを何らかの形で書いてくれている。そのようなことは明示的には学生に語っていなかったと思うので,単に私が望むようなことを書いたというわけではないと思う。
最終的な成績と振り返りシートの内容を比べて見ていくと,成績の良い学生ほど,振り返りの内容も望ましいものとなっている(例外はある)。成績評価結果の妥当性はこのことからも確認できると言えるだろう。
一つ驚いたのは,非常に多くの学生が,今後本を読みたいと書いていることだ。私は確かに,この授業で読書を勧め,それをボーナス点に反映させるということをした。その影響はあるだろうし,また他に思い付かないので,取り敢えず読書を挙げた人もいるだろう。しかし,読書へと学生への意識を向けるという私の意図は,非常にうまく実現したことがように思われる。授業期間中,忙しくて本が読めなかった学生が,この新学期開始までの休み期間中に1冊でも読んでくれたら,私としてはとても嬉しい。
今の学生も,教員の働きかけ方次第で,読書をするようになる。これは証明されたと思う。今後も,いろいろ試していきたい。
振り返りシートは,今後の私の授業作りにも大いに参考になるだろう。学生が私の授業から学びたいと思ったこと,そして実際に学んだこと。こうしたことをできるだけ授業の中心に据えていきたい。
また,こうした振り返りは教員の私だけが読むのではとてももったいない。受講者同士で読み合えるようにした方がいいと思う。今後の授業で実現していきたい。
注
- 2017年度前期から導入。こちらを参照。