この週末,授業で学生に使わせるための受講ブログのシステムを構築していた。これは,WordPressにP2というテーマを入れて,ツイッター風のインターフェイスになっている。トップページ上部に書き込み欄があり,そこに書き込むとすぐに下に記事が表示されるので,ツイッターのタイムラインのように使える。また,書き込みの制限はないので,ブログのように長い文章を書くこともできる。
このブログにいくつかのプラグインを追加して,サイドバーにいくつかのランキングが表示されるようにした。まず,WP-PostRatingsでは,各書き込みにつけられた「いいね!」ボタンによる上位10エントリーを表示する。このプラグインは★印による5段階評価(アマゾンのような)やLike, Unlikeの2段階評価などいろいろなボタンを設置することができるが,私は★1つの1段階評価で「いいね!」ボタンの代わりにした。このプラグインはLikeのみでUnlikeを使わないというオプションがないための措置だ。
また,Authors Widgetで投稿者の全リスト(投稿数付き)とTOP投稿者上位10名(アバター付き)を表示。Top Commentators Widgetで,つけたコメント数が多い上位10名がそのコメント数とともに表示される。WordPressそのものについているウィジェットとして,最近のコメントと検索,それにRSS等のメタ情報も表示する。
なお,ブログに表示される学生の名前はニックネームとし,アバター画像を自由に指定できるようにした(Avatarsというプラグインによる)。プライバシーに配慮しつつ,ネット上の人格が目に見えるようにしている。特にアバター画像は視覚的に記憶に残りやすいので,是非活用しいていきたい。
こうしたシステムにより,学生は他の受講者の書き込みを読みつつ,自分も書き込みをするようになる。また,他人の書き込みを評価しつつ,他人から評価を受け,また他人がした評価と自分がした評価の違いを知ることもできる。
授業では,ツイッターのようにして,教員と学生,または学生同士でのコミュニケーションに使うことができる。それをスクリーンに投影して,教員がコメントすることもできる。宿題の小レポートをこのブログに書かせ,それを授業で紹介・コメントすることもできる。
小レポートの提出については,提出されたレポートを提出期限まで表示しない仕様を念頭においていたのだが,提出すると即表示される仕様に変更した。その方がシステムが単純になるというメリットがある。後から提出する方が,先に提出したレポートを参考にできて有利になるのではないかと考えたが,全てが公開されているため,前と同じようなことを書いて後から出せばすぐに真似だと分かってしまう。後から出すほど前のものと違うことを書かないとオリジナリティが出せないため,かえって難しくなるのだ。オリジナリティも評価の観点となるため,真似することについてはある程度のブレーキがかかると期待できる。
今回,サイトを構築する上で苦労したのは,多くのテーマやプラグインが英語版あるいは部分的に英語が残っている版であり,全てを日本語表示したいと思ってもなかなかうまくいかなかったことだ。これを解決してくれたのが,Codestyling Localizationというプラグインだ。これにより,ほとんどすべての英語表記を日本語に変えることができた。それでもうまくいかなかった場合は,phpのコードを変更して対応した。cssファイルの調整は,FirefoxのアドオンFirebugを使うことでかなり楽になった。これはPlatformProを使ってサイトを作るさいのノウハウとして知ったこと。サイト構築の際のcssファイル調整ではどこでも使える技だ。
参考記事:新しい授業の進め方(2011.2.8)
付記:WordPressの開発者のブログもP2で作られていた!WordPressはオープンソースなので,開発もオープンに行われている。
【天気】晴れ。