Facebookの革新性

 Facebookについて3冊の本を読み,自分でもFacebookに登録して個人ページファンページ(現在はFacebookページと改称されている)を開設してみて,その特徴が少しずつ分かってきたように思う。Facebookについては多くの人が解説しているだろうから既に言われていることかもしれないが,私の感想として記しておく。

 その最大の特徴の一つは,「いいね!」ボタンの発明だと言って良いだろう。それをクリックすることは,書き込みに対する評価の表明であるとともに,他人のページに自分のページへのリンクを設置することでもあり,また自分のページで他人のページを紹介することでもある。また,その紹介は,自分をフォローしている人のページへ自動的に送られもする。それぞれの似たような機能は,ブログのトラックバックやTwitterのリツイートなどでも実現できていたが,それらのことをワンクリックで行えるようにしたことが画期的である。しかも,その「いいね!」ボタンをFacebookのページのみならず,一般的なウェブページの様々なところに設置できることで,ネット上のコミュニケーションがFacebookでつながってしまった。私のブログの記事にもFacebookの「いいね!」ボタンを設置したが,これによりこのブログもFacebookの世界に組み込まれたことになる。

 もう一つの特徴は,実名主義を採用していることである。顔写真の掲載も推奨されている。これは,ネットの世界とリアルな世界をつなぐ重要な要素だ。現実社会でネットを有効活用するという目的からいうと,これはごく自然な方針だが,ネットの個人的な利用については匿名主義が強かった日本ではそこが大きな障害となってFacebookの普及を遅らせていると思われる。ただ,日本でも実名主義が一般的になるのは時間の問題だといってよいだろう。

 これらの特徴を持つFacebookは,個人が自らの見識と責任で情報を流通させ,そうした個人による情報の流通の総体が社会全体の情報流通となる時代を可能にする。これは,日本の銭湯や温泉のように,個人が丸裸でつきあう世界といってよい。着ているものや所属・肩書きなどで人を判断するのではない,人間の実質で勝負する世界である。Facebookでは,誰と誰が友達か,ネット上のどんな情報に「いいね!」と言っているかが丸見えである。つまり,自分が何を良いと考えているかをすべて見せることが普通の世界なのである。そうすることで,人は自らの見識を示し,自らが信用しても良い人間であることを示そうと努力する。

 これは,ネットの世界を,そしてネットとつながった現実の世界を,非常にポジティブなものへと変えていくことになるのではないか。良いものが浮上し,悪いものは埋もれていく。厳しい世界ではあるが,非常に可能性を感じている。