2010年を振り返る(10) AppleTV

 今年9月1日に発表され,日本では11月1日に発売されたAppleTVは,iPad同様に多くの人に新たな可能性を感じさせるものだろう。私は11月13日に入手した。しかし,これは映像出力端子としてHDMIしかなく,その時わが家にあったブラウン管テレビにはつなげられなかった。そこで,とうとう液晶テレビ SHARP AQUOS LC-26E7-B を買ってしまった(11月23日入手)。

 AppleTVが画期的なのは,家庭のテレビがテレビ番組だけを見るものではなくなることだ。もちろんこれまでも,テレビはビデオデッキやテレビゲーム機の映像出力を表示するディスプレイとして使われてきた。しかし,リアルタイムで放送される番組としては,地上波の数チャンネル,BS・CS・ケーブルテレビなど合わせてもせいぜい数十から数百のオーダーだったものが,これからはオンデマンドのビデオやリアルタイムのストリーミング番組などを事実上無数に見ることができる。テレビ局が作っている番組はその一部に過ぎなくなる。今の若者はもはやテレビを見なくなり,見ているのはYouTubeなどのオンライン映像だと言われているが,その習慣が若者に限らず全ての世代に普及するはずだ。若者から普及し始めた携帯電話がのちに全ての世代に普及したのと同じ経過をたどるだろう。

 私は居間のテレビでくつろぎながらインターネットで提供される映像を楽しむ日を心待ちにし,パソコンをテレビにつなげることで何とか実現していた。少し前までは,Mac miniの映像出力をコンバーターで変換してテレビに映していた。液晶テレビを買った現在では,パソコンからのビデオ信号を直接テレビに入力している。パソコンを操作するにはキーボードとマウスが必要で,以前はトラックボール付きワイヤレスキーボードなどを使っていたが,iPhoneやiPadを入手してからは,それらがキーボードとマウスの役割を果たしてくれるので大変快適だ(現在使っているアプリはTouchPad)。

 こうしたことが可能になったのも今年のことであり,それは私にとって画期的なことなのだが,さらに画期的なのは,こうしたことがAppleTVと液晶テレビ,そしてインターネット回線さえあれば誰でもできるようになりつつあるということである。しかも,AppleTVは8800円と驚くほど安い。さらに,AirPlay機能でiPadやiPhoneの映像等をテレビに飛ばすことができると,使い勝手はさらに向上する。今は早くUstreamがAirPlayに対応して欲しいと願うばかりだ。

 現在,私のテレビ視聴時間はかつてに比べて激減した。iPadを使うようになって,すでに新聞を読むことが少なくなっているのだが,とうとうそれはテレビに及んでいる。