名古屋大学高等教育研究センターから大きな封筒が届く。いつにも増してたくさんの資料をいただいた。このうちのいくつかは同センターサイトで閲覧可。
1.名古屋大学高等教育研究、第6号
高等教育に関する研究紀要。特集は、多人数授業を効果的に行うための戦略。私が担当している授業は必ずしも多人数ではないが、参考になりそう。
2.かわらばん、2006年春号。
1枚もののニューズレター。私はこれを読むのが楽しみ。
3.大学における教養教育カリキュラムの比較研究
2003〜2005年度の3年間、学長裁量経費をもらってセンターが行った調査研究の報告書。国内外と名大の教養教育が比較検討されている。
4.特色GPシリーズ4、大学院生のための大学教員準備プログラムの開発
副題が「大学教授法研修会の記録」。アメリカの大学院ではめずらしくないようだが、日本ではきわめてまれな試み。
5.学生・教師の満足度を高めるためのFD組織化の方法論に関する調査研究(科研報告書)
2004〜2005年度の科研費による調査研究報告。内外のFDの現状の紹介。このプロジェクトの研究成果は、センターの様々なパンフなどに反映されている。
6.名古屋大学新入生のためのスタディティップス1、「学識ある市民」をめざして
学識ある市民という理念を掲げている。学問共同体としての大学の理念を分かりやすく説明したもの。
大学の役割として、人類の知的遺産を保存・継承するという側面を強調しているのが印象的。先端技術ばかりが注目されがちな今の風潮に抵抗しようとしている姿勢が良い。「人類の知的遺産に対する畏敬の念」が今の若者の中では風前の灯火のようになっているように思う。科学離れなどという問題よりこちらの方がはるかに深刻。
7.名古屋大学新入生のためのスタディティップス2、自発的に学ぼう
これはまさに大学生の常識をあえて教えるもの。本学のフレッシュマンセミナーよりもさらに基礎的なところから始めている。たとえば、「あいさつをしよう」「まずは授業に出よう」「教科書を買おう」など。
名大生に聞いた学習上の問題点の三大要素は、自己管理ができないこと、勉強の方法がわからないこと、将来の目標が見えないこと、だそうだ。この三つは本学のフレッシュマンセミナーでもきちんと押さえている。