新しい授業形式に教員も学生もある程度慣れてきた。そこで見えてきた問題に対応するために授業形式を少し変えることにした。
4月末の2度目の履修登録(変更)により,若干の出入りがあった。そのため,原則7〜8人の班が,5名などに減ってしまったところも出てきたのだが,大方は6〜8人の範囲に入っているため,班分けの変更はせず,このまま学期末まで行くつもりだ。
新たに見えてきた問題は,個人学習のあとのグループ活動が今ひとつ盛り上がらない班が一定数あるということ。15分程度の短い時間でも,発言がなくなって静かになってしまう。
これは放置しておいて改善する見込みはないので,授業の進行方法を若干変更することにした。グループ活動を翌週の最初に回すのである。そうすれば,グループ活動に臨む時には,大方の学生はすでに小レポートを仕上げたあとなので,発表もスムーズに行くだろうし,コメントを付けるため,他のメンバーの投稿を既に読んでいる学生もいるだろうから,コメントも活発に出ると期待している。
このような変更も新たな問題をもたらす可能性がある。まず,1限の授業では,遅刻してくる学生がそれなりにいるため,グループ活動に参加できない学生が出てくる。また,班の人数が少なくなったり,メンバーが固定されたりして,グループ活動を進める上でも問題がある。そのため,1限に授業を行う1クラスのみは,従来のやり方を変えないことにした。
もう一つの問題は,グループ活動が翌週であるため,個人学習での緊張感が薄れること,あるいは小レポートを仕上げるまでに何らかのフィードバックを受ける機会がなくなることである。場合によっては,個人学習の時間に,より締切の早い他科目の課題を行うような学生も出てくるかもしれない。
個人学習の時間に,机間巡視をしてそれなりの緊張感を保つことは可能かも知れないが(内職を注意するなど),フィードバックは何か工夫が必要だ。そこで,個人学習の時間は「質問タイム」でもあるので,自由に教員のところに来て,質問や相談をするようにと言っている。
第6回の授業からそのような形で授業を進めているが,現在のところ,質問タイムに私の所までやってきて質問をする学生はほぼ皆無である1。大学で学習サポートセンターを設け,相談員が常駐しているが,そこでの相談も極めて少ないと聞く。学習上の問題について教員に気軽に相談するという習慣・文化が育っていないのだろう。
質問タイムの活用については,ただ待っていても状況は変わりそうにないので,何か新たな工夫をしたい。
ミニレッスンはその後2つ追加して,全部で10となった。
これまでに作成したミニレッスン:
- 科学史・技術史関係資料の調べ方
- 投稿場所の選択
- 美しい小レポートの書き方
- 小レポートへのコメントの仕方
- グループ分けの仕方
- 信頼できるウェブ情報の見分け方
- 参考文献表の書き方
- 剽窃を避ける方法
- オンライン交流のすすめ
- 小レポート提出前のチェックリスト
【天気】晴れ。
注
- すでに学習サポート申し込みシステムは作ってあるが,それが必要な状況では全くない。