メディアの交代

 昨年は雑誌の廃刊が話題になったが,最近は新聞の危機が話題になっている。さらに,テレビも危ないようだ。雑誌に比べて,新聞・テレビは独占体制がしかれているため,そう簡単にはつぶれないが,読者・視聴者離れが続けば,何らかの危機は訪れるだろう。来年は,地上アナログ放送が停止される。これが国民のテレビ離れを加速させるかもしれない。これを良い機会として,テレビを捨ててしまえば(あるいはアンテナを外し,テレビ放送の映らないディスプレイ装置として使えば),NHK受信料も節約できる。また,原口総務大臣が言っているようなクロスオーナーシップの制限が実施されれば,さらに新聞・テレビは危機に陥るだろう。

 私自身について言えば,かなり前から雑誌を買うことが少なくなった。最近定期的に買うのは,語学のテキストと書評紙くらいだ。新聞は一応とっているが,値段の安い東京新聞にしている。東京新聞は,値段だけでなく,中身も少し独自性があるように思う。テレビは,ニュースとドキュメンタリーくらいしか見ない。それも,録画しておいたものを早回しで見ている。うちのテレビは,まだブラウン管のものだが,VGA-TVCでMac miniをつなげて,パソコン画面が映せるようにしている。Touchpad Eliteを入れたiPhoneがリモコン代わりとなる。これで,インターネットの動画をテレビ放送と同じような感覚で見ることができる。有料のビデオニュース・ドットコムは,多くの全国紙と東京新聞の月間購読料の差額よりも安い値段で視聴できる(ビデオニュースはWindows Media Playerでしか再生できないので,VMware Fusionを使って,MacにWindowsをインストールし,そこで再生している)。最近の液晶テレビなら,もっと簡単にインターネット上のコンテンツを見ることができるだろう。

 こうして人々は,これまでのビデオやゲームだけではなく,ネット配信のコンテンツをもテレビ受像機で見るようになっていく。新聞の内容も,ネットで見ることができるので,パソコンやテレビで見るようになるだろう。また,Twitterも新しいニュースメディアとなりつつある。新聞をテレビ放送予定表としてしか活用していなかった人は,テレビに予定表が出るので,新聞はすでにまったく必要ない。さらに,iPhoneやタブレット型端末(AppleのiPad?発表はもうすぐだ)によって文字情報も手元で読みやすい形で表示されるようになれば,従来型の新聞・雑誌・書籍の必要性はかなり低くなる。

 今年から来年にかけてが大きな転換点になりそうな気配だ。

【天気】晴れ。今日も,北大でのシンポをUstream中継で見る。時々切れるのが難点だが,北海道に行かなくても見ることができるのはすばらしい。