科学と人間生活

 高校の新指導要領案が公表された。英語の授業を英語のみで行うことがニュースになっているが,理科の科目もかなり変更があった。理科は,改訂のたびに科目の構成が大きく変わるので,教育現場は対応が大変だと思う。

 さて,現行の理科には,「理科基礎」という科学史を中心に取り扱う科目が置かれている。科学史業界では,教科書作成に多くの人材が動員されたが,結局この科目は定着しなかった。新指導要領では理科基礎が廃止され,その代わりに「科学と人間生活」という科目が新設される。この科目は,「科学に対する興味・関心を高めるため,人間生活にかかわりの深い内容で構成し,観察,実験を重視した科目」ということで,歴史的な内容はほとんど含まれていない(天体と日常生活の関係のところで,天動説が扱われる程度)。理科は,他教科より1年早い2012年から学年進行で実施されるので,理科基礎が教えられるのはあと3年のみだ。

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