電機学園工業大学

 フレッシュマンセミナー第2回のテーマは本学の歴史。準備のため50年史を読んでいたら、大学設置認可申請の際には大学の名称を「電機学園工業大学」とする予定だったことを知った。当時設立された「電機学園高等学校」と対になる名称だったのだろう。しかし、工業大学というのは広すぎるのでより限定的な名称の方が良いのではないかという文部省の意見により見直しがなされ、現在の名称になったという。当初は電気工学科と電気通信工学科しかなかった。
 現在は工業大学といっても何の問題もないくらい幅広い分野をカバーする大学に発展し、電機というのが狭すぎる名称になったのは皮肉なことだ。そこで私は「電機」を固有名詞として捉えるようにしている。
 広島電機大学が改称され、九州電機短期大学が募集停止された今、電機と名の付く大学は本学くらいしかなくなってきた。ますます固有名詞性を高めていると言えよう。私はこの言葉にアイデンティティを感じ、誇りを持つよう新入生に訴えた。少なくとも私は、国際、情報、環境、未来などの空疎な言葉よりずっと愛着と誇りを感じる。

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