早く対応した方がよい

 先に、大学の「意見箱」に投稿された本学教授に関する解雇・厳重注意要求を紹介したが、それに対する大学側の回答は以下のようなものである。

ご意見のなかで、解雇、厳重注意の理由を2点あげられていますが、その具体的内容が不明であるため、明確な対応をいたしかねます。ぜひ直接担当教員および学科長に相談していただくか、再度学生支援センター意見箱に具体的内容をご記入の上投稿し、ご相談ください。大学側といたしましても、学生の教育環境改善のために、内容次第で積極的に対応をしていくつもりです。

 担当教員本人や学科長に相談しても、改善はあまり期待できないだろう。また、具体的な内容を再度投稿して欲しいというのは良いが、それを待って、内容次第で積極的に対応するというのではなく、大学はしかるべき調査をし、自発的に積極的な対応をする必要があるのではないか。
 こうしたクレームが出る授業では、往々にして授業評価アンケートが実施されていないようだ。授業に対する意見を言う機会がないので、意見箱に投稿するしかない、という事態になっているかもしれない。まずは、すべての授業で授業評価アンケートを実施する必要があるだろう。そして、それを単に学内で公開するだけではなく、大学の責任組織が点検する必要がある。その点検は、健康診断的に行うとよいだろう。
 今後は、こうした学生のクレームも増えていくに違いない。それに対応するための組織を常設する必要があるだろう。それは、問題教員を裁くようなものにはしないで、教員の教育能力向上を支援するようなFD委員会的なものにすべきである。教員集団は互いの授業を公開し、点検し合い、学生からのクレームに対して集団で責任を持つ体制を作るべきだ。
 学生のクレームが来てから動くのでは遅すぎる。まだクレームが少ないうちに、先手を打つ必要がある。

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