教育再生会議で「高卒学力テスト（仮称）」の導入検討が提言されるらしい。大学入学者の学力水準を維持するためという。もし導入されれば，大学進学者の数がさらに減少するだろうから，大学の淘汰はいっそう加速されるだろう。それが良いことなのかどうか。
望めばだれでも大学に入れるという今の状況は，果たして悪いことなのか。大学で教える教員にとってはだんだん大変になるのだが，社会全体にとっては国民の教育レベルが上がるということだから，必ずしも悪いとは言えないのではないか。税金が一部のエリートにたくさんつぎ込まれるより，多くの国民のために使われる方が望ましいとは言えないだろうか。入学者の学力レベルの低い大学に税金をつぎ込むのは無駄だという雰囲気が感じられるが，それはおかしいのではないだろうか。（もちろん，教育の質が悪い大学に税金をつぎ込むことは問題である。入学生の学力レベルと教員の教育能力レベルを混同してはいけない。）
参考：
「大学受験に資格試験 高校必修科目対象 教育再生会議が素案」（東京新聞，2007/11/19）
「大学入試改革の素案要旨 教育再生会議」（中国新聞，2007/11/19）
【天気】晴れのち曇り。昨日，木枯し一号。今日はコートを着てきた。
