大学紀要の役割を考えさせられる。学会の権威ある雑誌に査読をパスして掲載された論文のみが論文として評価されるので、査読もない一種の同人誌のような大学紀要に載った論文など業績として認められないような雰囲気がある。査読で落とされ、掲載してくれる雑誌が見つからなかったダメ論文のみが紀要に載るというのか。
そんな誰も評価してくれない紀要など廃刊してしまえばいいようなものだが、私は新たな使命を与えることにより、大学紀要は意味のあるものになると考えている。大学紀要とは、その大学の教員の今を社会に報告するためのメディアと考えるのである。それを読めば、この大学の教員は何を考え、何をしているのか。それが分かるように編集すれば、ある種の広報誌の役割を果たすだろう。