教育井戸端会議と揶揄されている教育再生会議が、第二次報告を発表した。大学に関しては、特に目新しい提案はないが、FDの義務化というのが気になる。いまFDを義務化すると、形骸化、空洞化する可能性が高いように思う。まじめにやっているところを支援するという形でゆっくりすすめるべきだ。
6/2追記その1
現在の大学設置基準では、その第25条の2に「大学は、当該大学の授業の内容及び方法の改善を図るための組織的な研究及び研究の実施に努めなければならない」とあり、現在FDは努力義務である。この規定により、全国の大学でかなりFDは普及した。しかし、形だけのFDになっているところも少なくないようである。義務化すれば、そのような形骸化したFDが増え、FDは無意味だという教員の認識が広がる恐れがある。
6/2追記その2
6/2の新聞紙面では、この第二次報告が報道されている。道徳教育の教科化が関心の的だ。教科に「格上げ」すれば、教員は道徳教育に熱心に取り組むだろうという発想だ。それによって、検定教科書の使用を強制することができる。このようなことをしても何も変わらないか、かえって逆効果だろう。今の政府関係者は、教育に自由がいかに大切かということが全く分かっていない。教師は官僚ではない。規則通りに行動させられることを最も嫌う。大学入試センター試験の監督という仕事がいかに大学教員たちに嫌われているかを知っているのか。現在の教育改革は、教員のやる気をなくさせる方向に確実に進んでいる。