技術者倫理・企業倫理・大学倫理

 技術者倫理を教えていると、企業倫理というものに触れざるを得ず、そのために不祥事を起こした企業の取り組みを調べることもある。不祥事を起こす企業には、ある種のおごりがある場合が多く、社会からの信頼回復のためにはそのおごりを捨てることが必要になる。消費者の声を聞くことはもちろんだが、さらにトップレベルに外部の目を入れることもある。そうした企業の取り組みは、決して他人事には思えない。
 おごりという点では、大学や大学教員もかなりのおごりを持ってきたように思う。大学改革で重視されている「学生による授業評価」や「外部評価」は、企業倫理ならぬ大学倫理をおろそかにしてきた大学の体質改善の手法だ。いま社会は企業に対する目と同じくらい厳しい目を大学に向けつつある。形だけの評価では、もはややり過ごせない時代となりつつある。
 不祥事を起こした企業の取り組みは、大学にとっても大変参考になることを強調したい。

参考:
 雪印乳業の取組み
 雪印乳業活動報告書

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