1/19のApple Special Eventのビデオを観た。教育関係の新しい発表とのことで,新しい電子ブックiBooks 2,その電子ブックを作るためのiBooks Author,そしてその電子ブックも教材として掲載できる,大学の授業公開のためのiTunes Uの更新がその内容だった。
アップルは,教科書を再発明する,カリキュラムを再発明する,という表現を使っていた。電話の再発明であるiPhoneと同様の画期的な発明であることを強調している。しかし,それが本当に画期的な授業を実現するものか,私には疑問だ。というのも,教科書にしろ,シラバス・教科書・ビデオ・課題など大学の教育手段にしろ,これまでのアメリカの伝統的な教育の仕方が前提となっているからだ。私には,かつてのマルチメディアと呼ばれていたものの洗練されたものにしか見えない。時代は次の段階に進みつつあるにもかかわらず。
現在の教育を画期的に変革する技術は,いわゆるソーシャルな技術だ。今回のアップルの発表ではその点への着目が全く感じられなかった。iBooksでも,ソーシャルリーディングの機能はまだないようだ。iTunes Uでも新しいソーシャルな機能はないようだ(iTunesにはPingというはあるが,これはどれだけの人が使っているのだろうか)。
今回のアップルの再発明では,新しい段階の教育は実現できない。ソーシャルな技術を最大限に活用した大学教育の再発明によってこそ,教育が新しい段階に進むのだと思う。
追記:iBooks Authorが無料で提供されたのには驚いた。電子ブックの作成と出版にとっては画期的なことだ。これまでiWorkをほとんど使ってこなかったが,iBooks AuthorのインターフェイスはiWorkに似ているので,そろそろ本気で使ってみようかと思う。
【天気】雨時々雪。寒い。
- 12:02 Apple Special Eventを観ての感想をブログに書きました。少々批判的です。「大学教育の再発明」 http://t.co/gvhWbH5R