ガイガーカウンター

 ロシア製ガイガーカウンターRADEX RD1503が届いた。5/17に注文し,6月中に届く予定が1か月ほど延びて7月下旬となった。表示・マニュアルは英語。簡易日本語マニュアルが付いていたが,日本語訳に難があり,全く役に立たなかった。最初から英語マニュアルを読んだ方がよい。使い方は簡単だが,英語が苦手な人は戸惑うだろう。(7/24追記:株式会社国際広報企画が日本語マニュアルをネットで公開していた。)

 さて,最初に測り始めた時,0.00μSv/hを示していて,不良品かと心配になったが,しばらくしてそれらしい数値を示すようになった。湿度が高いとそのような現象が見られるという情報があり,輸送時に密封されていたことが関係しているのかもしれない。

 とりあえず,室内と庭やベランダで測定したところ,地上1mのところも地面に近いところも,同じように0.12μSv/h前後だった。誤差がどの程度あるのかは分からないが,ひとまずそれほど心配する必要はないような数値といってよいだろう。ちなみに,測ってガイガーによると,家の近く(屋外)で測った数値は0.15μSv/hや0.19μSv/hであった。

 なお,この測定器は,ケースにスリットが入っていて,β線がGM管に届くようになっており(スリットを通してGM管が見える),β線も検出できるようだ。しかし,β線とγ線を区別するようにはなっていないため,γ線のみの値を調べたいときには,アルミなどで遮蔽する必要があるようだ。μSv/h単位の数値を知りたいときは,こうしなければならない。しかし,機種にもよるが地上1mくらいだとβ線はかなり弱まるので気にしなくてもよいかもしれない。ただし,β線遮蔽が必要かどうかは,β線を遮蔽したときとしなかったときで比較してみる必要がある。試しに部屋の中でアルミの入れ物にいれて測ってみたが,数値に違いはなかった。β線があまり来ていないのかもしれない。線量の高そうな屋外の地面で試す必要がある。

参考情報

 ガイガーカウンターは,スイッチを押せば数値が出るため,簡単に測れるような気がするが,実はいろいろと予備知識が必要だ。私はその予備知識を得るために,6/11に開催されたガイガーカウンターミーティング(GCM)から多くのことを学んだ。物理の専門家らがガイガーカウンターの原理から測定の際の注意まで詳しく解説してくれたものだ。全部Ustreamで見ることができるし,手早くは鈴木みそ氏のマンガで学ぶことができる。ポイントは以下の通り。

  • ガイガーカウンターが検出する放射線は実際の放射線の一部であり,特にγ線は検出効率が悪い。また放射性物質からの放射線の放出はランダムな現象であり,短い時間ではばらつきが大きい。そのため,ボタンを押して出てきた数値がたまたま高かったり,低かったりしたことで一喜一憂してはならない。何回も測って平均をとる必要がある。
  • ガイガーカウンターの構造上,γ線の検出感度は低いが,β線は高い。したがって,β線が入ると,実際よりもかなり高めの数値を示すことになる。β線を遮蔽する機能のない機器では,アルミやアクリル等でβ線を遮蔽する必要がある。私は最初,β線を遮蔽することの意味が良く分かっていなかったが,ガイガーカウンターの構造を知って納得した。ではなぜ,ガイガーカウンターはβ線も検出できるようにしているのか。最初から機器の方で遮蔽してくれていれば世話がないようにも思う。しかし,β線も検出できるようにしているのは,放射性物質の有無を調べる際に,感度良く検出できるβ線を検出する機能があった方が便利な場面があるからだろう。例えば,放射性物質を扱った実験の後で,放射性物質が残留していないかどうか調べる際など。γ線しか検出できなければ,検出し損なう可能性がある。この使い方では,μSv/hの数値は定性的な意味を持つだけである。

【天気】晴れ。