東京新聞にiPhoneアプリの東京時層地図の紹介があった。明治初めから高度成長期までの5つの東京の古地図を見ることができる。現在の地図はGoogle Mapなどで見ることができるが,それと同じ場所を明治初年にまで遡って見ることができる。GPSとも連動しているので,東京にいて,今いるところに昔何があったかがすぐに分かる。ブラタモリのような東京散歩をする際に重宝することだろう。すぐに購入した。
現在本学神田キャンパスがあったところに明治初年に何があったかは,ちょっと地図の文字が不鮮明でよくわからない。しかし,その目の前には学習院・東京大学・東京外国語学校が並んで建っていたということは極めて興味深い。この界隈に学校が多いのは,明らかにその影響がある。本学の母体である電機学校が設立されたころには,中央大学と神田区役所があった。私がいる建物の場所には神田区役所があったのだ。その隣は神田警察署で,それはいまでもある。
私が研究している毒ガスの研究機関・陸軍科学研究所(現在は東京都健康安全センターがある)についても調べてみた。旧大久保村・大久保町。当初は畑だったが,その畑の中に陸軍科研が建設された。今は家がたくさん建っているが,その頃はまだ畑がかなり残っていた。その近辺は戸山ヶ原と呼ばれ,陸軍関係施設が多い。そうした場所は戦後は医療関係施設になることが多く,陸軍科研(のち技研)も戦後は都の衛生研究所となった。そうした変遷もこの東京時層地図で辿ることができる。
ともかく,これほど手軽に古地図を見ることができるのは画期的だと思う。
10/18追記:東京時層地図は明治以降の地図だが,江戸時代の地図も欲しいところ。TOKYO古地図というアプリでは江戸後期(1843年)の地図も見ることができる。これで江戸から明治・大正・昭和・平成への変遷を追うことができるようになった。