教科書の注 再考

かつて,受講者に教科書の注を作らせるというアイデアを書いた(教科書の注,2006.11.25)。このアイデアを現実にする可能性が出てきた。

私は今学期から,授業サイトをCommentPressというシステム(正確にはWordPressにCommentPress Coreというプラグイン&テーマを組み込んだシステム)で構築している。これは,ウェブの記事へのコメントを段落毎に(さらには文字単位で)付けることのできるもので,文章に注釈をつけるのに適している。

今学期は,学生がレポート等を投稿するブログで,互いにコメントを付けさせることを中心に利用した。私が作成したWeb教材にも学生はコメントを付けることができるのだが,ほとんど利用されていない。

新たな使い方として,教員がテキストを用意し,そこに学生が注釈を付けることを課題とするような利用法が考えられるだろう。毎回,最低1つの注釈を付けることを義務付ければ,1科目の受講者が150名として,毎回のテキストに150個ほどの注が付くことになる。受講者は,注を付けるための調べ物をする過程で勉強するとともに,他の受講者が付けた注釈を通して勉強するだろう。テキスト本文と合わせて,非常にリッチな学習環境が実現するだろう。

私は,ソーシャルリーディングの教育的可能性に期待をかけてきたが(CommentPressその後,2017.10.19など),なかなか授業の中で実現する方策を見いだせなかった。いよいよそれが実現できるのではないかと思っている。

付記:CommentPressとBuddyPressは連動させることができるので,ソーシャルメディアを組み込んだ運用が可能である。しかし,少し前まで,その連携に必要なBuddyPress Groupblogプラグインのバージョンアップが滞っていて,必ずしもうまく作動しなかった(今学期のシステムはかろうじて使えているが)。最近,同プラグインが更新され,いよいよ本格的なサイトの構築が可能となってきている。来学期のシステムでは,思い通りのものが作れるだろう。

付記6/18
テストサイトで各プラグインの新バージョンを試してみた。残念ながら,日本語化の点で問題が起こり,当面旧バージョンを使うことにする。新バージョンは機能面でも大幅な改良はなかった。

【天気】曇り。寒いくらい。