最終回の期末学力考査を残すのみとなった時点で,今学期の授業の反省をする。
小テスト
今学期も,「技術の社会史」と「科学技術と現代社会」で,Moodleの機能を用いて小テストを設置した。問題形式は,前期と同じ。Moodleでは様々な形式の小テストを作成できるのだが,やはり多肢選択式の正誤問題がもっとも作りやすい。その他の形式で作ったのは,組み合わせ問題と並べ替え問題。
「科学技術と現代社会」は,前期に一度作っていたので,前期の期末学力考査で出したいくつかの問題を追加する程度で済んだ。「技術の社会史」は一から作らねばならなかったので,かなり苦労した。
前期では,小テストの成績は,最終的な成績評価に反映させなかったのだが,今学期は全体の10%(100点満点で10点分)反映させることにした。なお,各回の小テストは前期と同様に何度でも受験できるが,成績に反映されるのは初回受験結果とした(最初から真剣に受験してもらいたいため)。こうすることで,より多くの受講者に小テストを受けてもらおうとした。そのためか,中間考査まではほとんどの受講者が各回の授業の後に小テストを受けていたようだが,学期後半はだんだんと小テスト受験率が下がってきたように思う。理由はよくわからない。
学力考査
前期と同様に,マークシート式の選択問題を基本とした。しかし,今回は中間・期末ともに最後に記述式問題を1〜2問出題した。その結果,学生が解答に要する時間は前期よりも長くなった(ちなみに,解答時間は中間60分,期末70分)。
記述式問題は,採点に時間がかかるものの,選択式問題とは違った角度から学生の理解度を見るのには役に立つことが確認できた。
振り返りシート
前期と同様に,毎回の授業の最後に振り返りシートを提出してもらい,授業サイトで紹介していった。今学期は,画像による紹介は省略し,質問にのみ答える形にした(時間的制約から)。
掲示板
前期と同じように,授業サイトに受講者も書き込める掲示板を設けた。前期は実名制をとったが、より書き込みやすいよう,今学期はニックネーム制とした。しかし,投稿はほとんど増えなかった。成績と関係させないと学生は投稿しないようだ。
所見票
終わりに
オンライン小テスト,マークシート式学力考査,振り返りシートというツールを使いつつ伝統的な講義を行う授業の形式はほぼ確立できたと思う。学力考査の難易度を調整すれば,学生の不満も少なくなっていくだろう。
ただ,このような“telling and testing” pedagogyの典型のような授業でよいのかという根本的な疑問を忘れることはできない。その打開策として,現在は読書教育の手法を研究している(読書会方式は失敗だったので,その他の方法について)。