現在私がウェブサイトを作るときに使っているツールは,主にWordPressというオープンソースのソフトウェアだ(例外は,大学の所属部署のウェブサイトで,これはBiNDを使って構築している)。これに無料または有料の「テーマ」を設定し,デザインを決めている。自分が作りたいようなサイトのデザインを実現してくれるテーマはなかなかないので,ある程度は自分で修正を施している。ここの日誌も,Atahualpaという無料のテーマをカスタマイズしている。
Atahualpaよりもサイトデザインの自由度が高く,しかもDrag & Dropでカスタマイズ可能な画期的な「テーマ」が昨日(7/24)登場した。正確には,登場する予定が,少し遅れて今日くらいに登場した。遅れた理由は,どうもサーバーが攻撃を受けて,別のサーバーに移行したことによるそうだ。それだけこのシステムは同業者の間で脅威に感じられるほどのものなのかもしれない。
そのシステムが,Pagelines DMSである。DMSはDesign Management Systemの略だという。これはWordPressというシステムの1テーマに過ぎないのだが,これによってサイト管理のあり方は根本的に変わってしまう。要するに,けっこう良いデザインのサイトが簡単にできてしまうのだ。キャッチコピーは,「The world’s first drag & drop design management system」。
けっこう良いデザインのサイトが簡単にできるという売り文句は,他のソフトやシステムでも良く聞くものだ。例えば,私が今使っているBiNDはその一つだろう。プロのデザイナーが作ったたくさんの「テンプレート」(WordPressの「テーマ」に相当する)を提供し,それを修正すれば良いデザインのサイトができるというわけだ。サイトの要素(BiNDでは「ブロック」といい,Pagelines DMSでは「セクション」という)を並べ替えるだけでサイトのデザインを構築できるところもよく似ている。
Pagelines DMSが他のものと違うのは,様々なデザインを実現するための小さなプログラム(セクション等)を自由にユーザーが有料または無料で入手できるプラットフォーム「DMS Store」を構築したことだ。まだ始まったばかりなので,登録されているものは少ないが,すぐにたくさんのプログラムを利用することができるようになるだろう。デザインやプログラミングの能力が乏しい人でも,そこで提供されているものから自分の気に入ったものを選んで使うことができる。もちろん,カスタマイズも可能だ。
BiNDを開発販売しているデジタルステージも似たような戦略を持っていると思う。特に,画像や音楽のデータの提供は,まだPagelinesにはない要素だ。しかし,デザインに関するオープンなプラットフォームを作るという点で,Pagelinesはデジタルステージの先を行ってしまった気がする。毎年新バージョンが発売されているBiNDを何万円もかけて買い続けてきたが,そろそろPagelines DMSに乗り換える時期かも知れない。年間にかかるコストは同じ程度だ。
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