私の事例(福岡教育大学時代)

大学教育におけるインターネット活用の事例として,私が大学教員になってから行ってきたことを紹介します。

私は1991年10月に福岡教育大学に助手として就職し,1992年4月から授業を担当することになりました。私が初めて授業のためのウェブサイトを作ったのがいつか,は記憶にないのですが,ネット上(http://www.archive.org/)に残っているデータによると,最も古いトップページは,1998年10月5日作成のページです。しかし,それよりも前からウェブサイトを作っていたようで,確認できる最も古い授業サイトは,1996年度前期の「科学と人間I(テーマ:科学技術と人間の生活)」のサイトです。ここでは,配付資料や期末レポート課題を掲載しました。当初の授業サイトの利用法は,授業で配布した資料を閲覧できるようにすることとでした。授業に関する意見や感想を受講生が書き込むことのできる掲示板「ひろば」の設置もなされましたが,すぐに廃止されています。

その後の授業サイトの利用法としては,一部の講義で,講義の録音ファイルを掲載して,欠席した受講者の自習をサポートしました。これは,教育大学だったため教育実習で欠席する学生が多く,それに対応するための措置でした。

もっと積極的にネットを利用した例としては,総合演習で「大学改革」を扱った授業(2004年度前期)です(シラバス)。法人化初年度のその年に,当時の日本で進められている大学改革と,特に身近な自分の大学(福岡教育大学)の改革について考えてもらい,最終的には,改革のための学生からの提言をまとめました。これは冊子に印刷製本して,学長はじめ学内の教員・職員に配布しました。この授業のサイトもネット上に残っています。そのサイトでは,非公開の電子会議室を設けて,そこで意見交換をしてもらいました。

まとめますと,私の福岡教育大学時代のネット活用法は
・配付資料の掲載
・授業関連情報の掲載
・講義の録音データの掲載
・受講者の意見交換用の電子会議室の設置

といったものです。

追記:過去のウェブページの収集保存は,国立国会図書館のインターネット資料収集保存事業としても行われていて,こちらの検索ページで「福岡教育大学 田中浩朗」をキーワードに検索すると2003〜2004年頃に収集されたページを100以上見ることができます。