Sさんから,新著『害虫の誕生——虫からみた日本史』(ちくま新書,2009.7.10)を送ってもらった。害虫が誕生するとは? 多くの人が不思議に思うかも知れないところから始めて,人間と自然との関わり,その変化と科学技術との関わりなど,科学技術史および環境史の重要なテーマを身近な「害虫」をもとにして展開している。一見,科学史の本には見えず,またそこに収まるものでもないテーマを扱っているが,科学史家がこのような本を書くことができることを示してくれたことは実にうれしいことだ。
7/17追記:読了。生物学史(応用昆虫学史)に疎い私にとっては,とても興味深く読むことができた。私の科学史の授業はどうしても物理・化学中心になってしまうので,本書のような話題を取り込むことでより視野を広げることができそうだ。
7/21追記:本書にはサポートページが設けられている。正誤表なども掲載されている。
【天気】雨のち曇り。蒸し暑い。