学会選挙

 前回(2007年)の科学史学会役員選挙は、委員(理事に相当)の立候補者が定員以内であったため、全員無投票で当選した(会長については投票が行われた)。今回はおそらく、委員でも投票が行われるだろう。前回の選挙では会長に立候補したSさんが今回は選挙管理委員長ということで、Sさんの選挙制度改革の提案が今回の選挙では実現している。

 そのポイントは、立候補者が自らについて提供する情報の量を100字から大幅に拡大したということだ。それにより、もし立候補者が多くの情報を提供すれば、それを見て「有名」でない人でも支持を集め当選できる、とSさんは考えたようだ(「会長への立候補にあたって」)。

 今回が初めての選挙制度なので、どれだけ変わるかは分からない。しかし、何らかの変化は期待できるだろう。そして、その次の選挙こそが、本来の趣旨に添った選挙になるものと期待できる。

 ただ、Sさんの議論には、意欲ある多くの(あまり「有名」ではない)会員が学会役員になりたがっているという前提があるだろう。現在の制度は、そうした会員から役員になる機会を奪っているというのだ。しかし、その前提は成り立つのだろうか。逆に、多くの会員は役員になる気がなく、今の役員も仕方なくやっているとしたら…。そうでないことを祈るのみだ。

 ともかく、学会の活動について、現在の役員やその他の会員がどのような考えを持っているのかが明らかになることはとても意義深い。選挙管理委員の事務作業はかなり増えることになり、それが少数の方の負担になるのは問題だが、その問題も次回の選挙では改善されていくだろう。

【天気】晴れ。