私は昔、図書館での調べものでメモをとるときにはノートを使っていた。パソコンが出てきたら、ノートにとった内容を家でパソコンに入力した。パソコンに入れると、編集や検索ができて便利だからだ。
しかし、図書館にパソコンを持参し、パソコンで直接メモをとることができたら、家で打ち直す手間と時間が省けてとても便利だ。ノートパソコンの出現はそうしたことを可能にするように思えた。そこで私は、使えそうな小型ノートパソコンを次々と買って試していった。
ノートパソコンの前には、NEC MobileGear MKシリーズ(1997年発売)も使ったが、その後すぐに小型ノートパソコンが出てきたため、MobileGearへの興味は薄れてしまった。しかし、今思うと、それが間違いの始まりだったのかもしれない。pomeraはMobileGearの延長線上にある。
図書館で使用するために買った最初の小型パソコンは、東芝Libretto 100(1998年発売)だ。これは確かに小さく、持ち運びにはとても良かったが、小さすぎて私の手ではブラインドタッチが難しかった。
次は、Panasonic Let’s note C33(1998年発売)だ。これは小型のカメラも付いているなど、先進的なものだった。キーボードは使いやすかったが、電池の持ちが良くなかった。SONY VAIO C1XG(2000年発売)はキーボードが大きく、特に打ちやすかったが、これも電池の問題があった。
電池が長持ちするものをということで買ったのがNEC LaVie MX(2001年発売)だ。これは、反射型液晶を使い、バックライトを消しても使えるというものだ。しかし、当時の液晶は周囲がかなり明るくないとよく見えないので、図書館のような比較的暗いところではバックライトを使わざるを得なかった。したがって、電池問題は解決しなかった。
毎年のように出る新製品を、毎回期待を持ちながら買い続けた日々もこれで一段落した。これだけ買っても納得できるようなパソコンに出会えない以上、やはりパソコンをメモに使うのは無理ではないかと思うようになった。そして、昔ながらのノートを持参する方式に戻ったのだ。
ところが、それから数年たってPanasonic Let’snote R3(2004年発売)が登場した。小型軽量で、しかも電池が持つという。試してみたくなり、買った。これは確かにそれまでのものに比べて電池は長持ちした。しかし、1日図書館にこもって調べものをするには、予備バッテリーを持っていかざるを得ず、こまめにバックライトを消したり、スリープモードにしたりと、電池を気にしない使い方はできなかった。しかし、R3がこれまでのパソコンでは一番使いものになるので、これまではこれを使っていた。
私が電子メモ帳に求めている条件は、
(1)電池が1日以上長持ちする
(2)キーボードが大きく、ブラインドタッチができる
(3)液晶が見やすい
(4)日本語入力が快適にできる
(5)小型軽量で持ち運びに便利
この5点である。
今回登場したpomeraは、これらの条件を満たしている。さらに、素早い起動など、要求以上の性能も実現している。私にとっては十分満足できるものだ。
私はこれが出てくるまでに何台のパソコンを買い、いくら投資したか。100万円を超えているかもしれない。それに比べれば、2万円のpomeraは決して高い買い物ではない。
【天気】曇り。