- BS世界のドキュメンタリー「<シリーズ 20世紀 “核”の内幕>第4回 イスラエルからの告発 ~地下核施設を暴露した男~」2008.7.26, NHKBS1, 50分
<シリーズ 20世紀 “核”の内幕>
第4回 イスラエルからの告発 ~地下核施設を暴露した男~
※放送日時変更 ((7/24未明の岩手地震のため。)) 7月25日 金曜深夜[土曜午前] 0:10~1:00
1986年、英国の新聞サンデータイムズがのせた大スクープ記事。イスラエルが200あまりの核弾頭を保有し、米・ソ・中・英・仏の超大国に次ぐ、世界第6位の強大な核兵力を持つことが伝えられたのだ。当時イスラエルは、核兵器を持っているとも持っていないとも明らかにしない曖昧政策を取り続け、周辺のアラブ諸国を牽制していた。
情報をリークしたのはモルデハイ・バヌヌという男。1977 年から85年にかけて、イスラエルの砂漠の町ディモナにある地下の秘密核開発施設で技師として働いていた。自分の仕事が、中東や世界の平和を乱すという罪悪感に苛まれ、施設の各所に忍び込み、国家の最高機密である60枚の写真を盗み撮りして持ち出したのだった。
サンデータイムズ社が、バヌヌの情報の裏取り調査を慎重に行っている間、バヌヌはロンドンのホテルにかくまわれる。ある日、ニューススタンドで見かけたブロンドの美女が、やがて彼に接近し、ローマへの小旅行へと誘い出す。そして旅先で姿を消してしまう。
女の正体は、イスラエルの諜報機関モサドのエージェント。バヌヌは本国に送還され、国家反逆の罪で
18年の禁固刑を言い渡される。自らの危険を顧みず、世界に警鐘を鳴らそうとした男のスリルに満ちた逃避行の顛末を、実際の関係者の証言を交えたドキュメンタリードラマで描く。
原題: Nuclear Secrets: Vanunu and the Bomb
制作: BBC(イギリス) 2006年
担当者メモ
2004年、バヌヌの釈放を世界中のメディアが見守りました。バヌヌはイスラエル国内では「国家の反逆者」、海外では「核開発の危険をリークした英雄」という、全く正反対のレッテルを貼られています。番組の冒頭、Vサインを捧げながら刑務所から出てくるバヌヌ本人の姿を、皆さんはどのようにご覧になるでしょうか。