- BS世界のドキュメンタリー「<シリーズ 核の時代>ポリネシア 引き裂かれた楽園」2008.7.16, NHKBS1, 50分
<シリーズ 核の時代>
ポリネシア 引き裂かれた楽園
08年7月15日 火曜深夜[水曜午前] 0:10~1:00
仏領ポリネシアは、フランスからの援助で経済が成り立っている。1960年代、フランスによってこの「楽園」に現代文明がもたらされ、その恩恵を受けたと語る島民たち。しかし、度重なる大気中での核実験と70年代以後の地下核実験により、周囲の海の汚染や人々の健康被害なども報告され、複雑な感情をフランスに対して抱いている。フランス政府は、健康被害が核実験と直接結びつく証拠はないとして、補償を一切行っていない。
フランス政府のアドバイザーは、「仏領ポリネシアはフランスの領土。フランスの領海内で実験をしているので、他の核保有国の実験に比べれば極めて良心的」と語る。さらに、「核実験を行うことは、核抑止による平和につながり、フランスの安全を担保してきた」と、実験の正当性を主張する。
1977年、ジスカールデスタン大統領は、地下核実験への限定を発表する。その後、環境保護団体などが、核実験の予定海域に船を出し、自らを楯とする過激な妨害活動を展開。グリーンピースの船がフランス海軍に転覆させられるという事態となった。1995年、一時中断していた核実験の再開をシラク前大統領が宣言すると、タヒチ島で抗議行動が起きる。
1983年にこの海域一帯を調査した科学者は、数百年後には海底から放射能が漏れ出すと警告する。「今すぐ人体に影響はないが、将来の事を考えると、汚染された海域といって間違いない」と訴える。
2007年 四川映画祭受賞作品
原題: Blowing Up Paradise
制作: Bergmann Pictures(デンマーク) 2005年