成績評価基準の統一

 学部における成績評価基準の統一が問題になりつつある。その第一歩として、各科目の評定の割合を公表することが打診されたが、教員側の反応は一般的に否定的のようだ。
 私は自主的にウェブで公開しているくらいなので、公開すること自体には反対ではない。教員の成績評価権を声高に主張する割にはそれについての説明責任を果たしていない大学教員も多く、それに疑問を感じもする。しかし、この動きがエスカレートして、画一的な評価を強制されるとなると話は別だ。公開に反対している教員はそれを恐れているのかも知れない。
 私は、まず教員同士の間で公開し、そのデータをもとに成績評価のあり方について教員間で議論することが先決だろうと思う。個々の教員はそれぞれの思いで評価をしてきた。それをいきなり否定されるのには拒否反応を示すであろう。しかし、自分の評価方法を相対化することは必要なことである。教員は自分がどのような考えで評価を行っているかきちんと説明して、その評価結果に責任を持つべきだ。教員間の批判に耐えることができるものならば、それは自信を持って公表すればいい。そこでは、画一的な評価基準の統一など必要ない。
 逆に言うと、そうした教員同士の批判的な検討を経ていないものを安易に公表することには反対である。「楽勝」科目への殺到を招くとともに、それは大学に対する不信を増幅することになるだろう。

【天気】晴れ。久しぶりの青空。