大学から東京電機大学経営企画室編『未来科学と教育戦略——東京電機大学のシステムデザイン』(東京電機大学出版局、2006年)が届く。学部・学科間の足並みの不統一など、どこの大学にもありがちな問題は本学にもあるのだが、トップマネージメントがそれなりに存在することに頼もしさを感じることができる。特に、本学の歴史を振り返りつつ未来を展望しているところに健全さを感じる。創立100周年というのは、歴史を振り返るにちょうど良い機会だ。未来ばかりを見るのではなく、きちんと過去も大事にする大学であり続けて欲しい。
私たち「東京電機大学人」は、このような危機意識(学生の減少など)をしっかりと認識しつつも、むしろこれをスプリングボードとして、本学の歴史が始まって以来の大規模な改編を実行することを全教職員の心を一つにして決断した。この改革は、本学発祥の電機学校の設立時と、それに続く当時の工学教育への熱意を改めて呼び起こし、原点に回帰し、未来に向かって成長しようとするものである。(まえがきより)
追記(6/23)
読了した。教職員と学生、そして電機大入学志願者は読む価値がある本。電機大の過去と現在がよく分かる。ただ、大学全体としての「教育戦略」「システムデザイン」については今ひとつ明確なイメージが伝わってこない。個別事例の紹介に留まっている。それをいかに全学的な取組にするかが問題なのだが、そのためのシステムはないのが現状だ。
【天気】曇り。