工科系大学における英語教育

 昨日の教授会ではずいぶんともめた。新カリでの英語の単位を巡ってだ。英語8単位の中に専門英語(技術英語)2単位を必修として入れるか否か。技術的な英語文書が読めるようになって卒業してほしいという教員側の気持ちはよくわかる。しかし、それを必修化したときに、英語で卒業延期となる学生がでることも十分予想され、その心配をした教員との間で話が紛糾。堂々巡りを繰り返した。
 私としては、ふつうの英語の授業でも教材として技術的な文書を取りあげるとともに、工学の授業でも英文を読ませる機会を多く設ければすむような気がする(一部はすでに実現しているようだが)。カリキュラムの変更ではなく、授業内容の改善によって目的を実現するほうが得策だと思う。
 本学の英語教育はかなり充実していると思う。やる気のある学生にとって相当の実力をつけられる環境はすでに整っている。あとは、専門教育担当教員と英語教育担当教員の連携の問題だと思う。参考:本学英語系列サイト(http://www.kl.dendai.ac.jp/l-dept/)
 そもそも、専門英語というような授業を受けたからといって、技術的な英語が読めるようになるわけでもあるまい。基本的に言語とは、それを使わなければならないぎりぎりの状況におかれて初めて身に付くものだ。絶対に読む必要のある文書を目の前にして、必死に辞書を引きながら読むことによって初めて読めるようになる。大学の英語教育は、それができる最低限の基礎を身につけさせるためのものだと思う。

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