Paperlike Pro

久しぶりに比較的大きな機械ものを買った。電子インクを使った液晶モニターPaperlike Proだ。

電子インクを使ったものとしては,Kindleなどの電子ブックリーダーがよく知られている。私もKindleは3台ほど持っていて,その特徴はよく分かっているつもりだ。Kindleはインターネットにつなげて,ウェブページも読むことができるが,あまり見やすいとは思えない。やはりウェブページを見るならiPadの方がいいだろうということで,iPadも何台も持っている。

今回は,デスクトップのパソコンで長時間文字を見るときに,できるだけ目を酷使しない装置がほしいということで購入したもの。知ったきっかけは,『マガジン航』にあった西牟田靖氏の記事。そこに,Paperlike Proが写真とともに載っていたのだ。西牟田氏は,音声入力を使ってPaperlike Proで原稿を書いているとのこと。とても良さそうに感じた。

さて,Paperlike Proというのはあまり聞いたことがなかったが,調べてみると中国のDasungという企業が開発・販売しているものだった。私が買おうと思ったとき(3月中旬)は,日本の代理店でも在庫があり,Amazonでも出品されていた(その後品切れとなった模様)。しかし,税込15万円近くということで,Dasungに直接注文することにした。送料込みで899ドル,約10万円だ。代理店を通すよりかなり安い。PayPal払いだったが,注文し,代金も払ったのに,その後Dasungからは何の連絡もなく,ちょっと不安になったので,PayPalのクレーム機能を利用したところ,すぐに発送してくれ,北京から2日で届いた。英語でのやりとりは結構面倒で,やはり個人輸入はそれなりのリスクがある。

さて,Paperlike Proだが,これは「電子ペーパー」サイトのレビューがわかりやすい。Dasungのサイトを見ると,普通の液晶モニターを白黒にしただけのような印象があるが,まだまだ普通の液晶モニターにはほど遠いものである。しかし,写真などの画像を見ず,文字主体の文書を読んだり書いたりするには,実用レベルのものと言っていいと思う。読みやすいモードに調整するのは慣れが必要だが,モードを細かく調整できるので,読む対象に応じて適宜モードを切り替えれば,かなり読みやすいものとなる。

Paperlike Proを入手してから,似たような製品Boox Max2というのを知り(これはPaperlike Proを売っていた日本の代理店でも購入可),こちらの方が安くて,しかも性能がいいというようなレビュー(YouTube)もあった。ちょっと早まったかなとも思ったが,そのレビューにつけられたコメントでは,Paperlike Proの方がモニターとしては優れているというコメントが多数ついていたので,ともかくこの先進的な製品(“The World’s First E Ink Monitor with HDMI”!!)をしばらく使い込んでみたいと思っている。

追記:今回の製品とある意味で似たような製品であるpomeraも2台買ったが,結局今は使っていない。Paperlike Proはどういう運命をたどるだろうか。