フレッシュマンセミナーのテキストを作る過程で、新入生が実際に受ける授業の時間割を組んでみたが、毎日4コマ(6時間)程度の授業を受けることが分かった。かなりハードだ。大学は高校までと違って授業時間が少ないが、授業がない時間は休み時間ではなくて自習時間なのだ云々と書いたが、実は授業がない時間はあまりない。1コマの講義につき2コマの自習をせよ、など全く非現実的な話だ。毎日2時間程度の自習時間をとるのがせいぜいで1コマ分の自習時間にも満たない。毎日4コマ授業を受けるのに。
これでは、自習が足らず、単位を落とすのも無理はない。再履修で授業時間が増えれば、自習時間はますます少なくなり、悪循環だ。
もともと、大学の1学期の標準取得単位数は15単位で、講義だと7~8コマ。つまり一日に1コマか2コマというのが標準だ。そうでなければ、授業1コマあたり2コマの自習時間はとれない。本学は標準の倍くらい授業を受けさせていることになる。(3/26追記:本学の履修科目登録上限単位数は1学期26単位のため、正確には約1.7倍となる。)
注:「大学の1学期の標準取得単位数は15単位」ということの根拠は、1単位が1週間の勉強時間に相当するということ。1学期の標準的な週数は15週なので、そこでとれる標準単位は15単位ということになる。もちろん、学生の個人差があるから、15単位を中心に上下することはあるだろう。しかし、2倍もとれるというのは明らかにおかしい。それは、1単位の価値が半分になっているということを意味する。
ちなみに、1週間の勉強時間は45時間とされている。これは労働者の1週間の標準労働時間が45時間であったことによる。現在は40時間労働制だが、学生の勉強時間は40時間には減らされていない(大学設置基準による)。とはいえ、多くの大学では45分を1時間とみなしているため、1週間で45時間の勉強といっても、実質は34時間弱である。したがって、現在でも、労働者の労働時間より学生の勉強時間が長いわけではない。