- テレビ朝日開局50周年記念特別番組「原爆 63年目の真実」2008.8.2, テレビ朝日, 110分
第1話「瓦礫の長崎に立つ少女」:戦略爆撃調査団カメラマンのダニエル・マクガバンは,被爆地長崎の少年少女らを撮って,そのフィルムを私的に保管していた。NHKスペシャル「解かれた封印 〜米軍カメラマンが見たNAGASAKI〜」で紹介された米軍カメラマン,ジョー・オダネルと似たようなケースだ。
第2話「被爆国日本にもあった「幻の原爆開発計画」:これはテレビ朝日が1995年から繰り返し扱っているテーマ。内容的に新しいことはない。
第3話「原爆投下部隊・天才パイロットの光と影」:今回の番組で一番興味深い内容だった。広島への原爆投下に関わった部隊のパイロット,クロード・エザリーを扱っている。彼は戦後初のビキニ環礁での原爆実験で被爆し,その後の人生を狂わせた。番組では,被爆退役軍人協会のメンバーの取材もあった。
開局50周年を迎えた2008年・・・テレビ朝日が平和への祈りを込めて贈るスペシャルドキュメンタリー。
戦争が生み出した「原子爆弾」。
しかし、人生そのものをも焼き尽くした悪魔の兵器ゆえ、多くの真実は悲しみの中に封印され続けた。
63年前のあの夏、キノコ雲の上と下でいったい何が起こっていたのか?
原爆の記憶が風化していく中、半世紀以上の時を経て「最後の生き証人」たちがついに重い口を開いた。
明らかになる驚愕の真実の数々。
そこには「原爆」に翻弄された若者たちの人生があった。
番組では、3人の若者がたどった数奇な運命を、新たに発掘した機密文書や大迫力のCG、本物の爆撃機B29を使った再現ドラマで描いていく。
21世紀の子供達に語り継がなくてはならない、昭和史から置き去りにされた「原爆の真実」。
それは、今を生きる人々にも語り継いでいかなければならない「平和へのメッセージ」でもある。広島・長崎を始めとする日本各地とアメリカを舞台にした3つのストーリーは、ドキュメンタリーとドラマで構成。
そして、それぞれのストーリーを繋ぐのは、番組ナビゲーターの中井貴一。
ストーリーの鍵となる当時の写真や映像を映し出したバーチャルスタジオで番組の世界に誘い、さらにはひそかに眠っていた原爆の証拠品や物語の主人公となる人物の残した手紙などを紹介することで、「原爆の真実」により迫っていく。