厚労大臣が,帰還兵からの聞き取り資料を8月をめどに公開すると言ったという。「省内には非常に貴重な資料が膨大にある」というが,厚労省(旧第一・第二復員省およびその後継組織の資料を受け継ぐ)は,やはり資料を持っていた。1950年代,つまり占領が終わった段階で厚生省(そこには復員省以来の旧軍関係者が勤めていた)は旧軍関係者からいろいろ情報を集めていたようだ。防衛研究所図書館で,化学戦部隊関係者が書いた手記を見たことがあるが,そこには「厚生省引揚援護局復員課」のゴム印が押されていた。厚労省資料には,その他の様々な部隊の記録も含まれていると思われる。厚労省資料が国立公文書館に移管されて公開されるとすれば,防衛研究所と並んで公文書館が旧軍関係資料の宝庫となると期待される。
参考:太平洋戦争戦死・不明兵:帰還兵聞き取りの情報公表へ(毎日新聞,2010.3.5)
追記:復員関係の資料は,ゆまに書房から出版されつつある(『復員関係史料集成』全12巻)。
追記:2019.1.6
2011年度から戦没者等援護関係資料が国立公文書館へ移管されているとのこと(「戦没者等援護関係資料の国立公文書館への移管について」)。
移管された資料のリスト(2018年12月現在)
【天気】雨。