今日の朝刊で,首都圏私立大の自宅外通学1年生(2009年度)の1日当たり生活費(家賃を除く)が1123円だという記事を見つけた。早速情報源となった報告書を探して読んだ。このところ下宿生の生活費は下がる一方だ。ピーク時の1990年には月73800円だった。それが月33700円へと4万円も下がっている。その背景として,親の収入も下がっていて,世帯平均の税込み年収はピーク時の1993年は1072万円だったが,そこから882万円まで200万円下がっている。そして,その収入から300万円を初年度(1月〜12月)に支払っているという(受験費用・住居費・学費・仕送りなど)。親としてはぎりぎりだろう。平均借入金は150万円だ。
一日1123円では食費すら賄えない。当然あとは奨学金などで借金し,アルバイトで稼ぐことが必要となる。本学は自宅通学生が比較的多いので,それほど厳しい状況ではないかもしれないが,昨年12月に実施した人間科学科目アンケートでは,科目選択の理由として「教科書の指定がなく,少ない費用で履修できるから」というものが上位にランクされた(体育実技以外では第3位)。これはかなり切実なことなのだろう。
参考:
- 1日の生活費1123円 首都圏私大1年生、過去最低に(2010.4.8,朝日)
- 私立大学新入生の家計負担調査 2009年度<抜粋>(pdf, 東京私大教連, 2010.4)