政府に新型インフルエンザ終息宣言を出すよう要求していた国土交通大臣(観光立国担当大臣を兼務)は,しびれを切らしてとうとう自ら安全宣言を出してしまった(NHKニュース,2009.6.26)。何を根拠にそのようなことを言っているのか。
国内感染は収まることなくじわじわと広がっている。国内感染者は既に累積で1000を超えた。あまり見えなくなっているのは,隠れている部分が多くあるからだろう。マスコミ報道は6月に入って急に少なくなった。私が得ることのできる包括的な感染情報は行政による報道発表資料くらいだ。
国内外で人が移動するこの夏には,かなりの感染拡大があるだろう。日本で感染したという海外からの旅行者が何人も出てきたとき,国交大臣は何と弁明するのだろうか。日本は世界で有数の感染拡大国だ(10本の指に入る)。このことを忘れてはならない。そしてなにより,今はパンデミックが宣言されているときなのだ。安心して旅行を楽しんでくださいなどと言っている場合なのだろうか。
5月中旬にピークを迎えた国内感染は,5月の連休で人が大移動したことによることが大きいだろう。夏休みはさらに大規模な移動が発生する。盆の帰省ラッシュが山だろう。さらに,5月の連休の時に比べて人々は安心しきっているように見える。どれだけ感染が広がるか。
ところで,国内の感染状況に関する情報がほとんど国民に知らされていないことが非常に問題だ。特にローカルな情報が重要だ。日本全体で何人感染したかということは,自分の身を守る上でほとんど役に立たない。どこの学校で何人感染したかという情報をきちんと出して欲しい。漠然とした情報しかないから,多くの人は自分の問題として捉えられないのだろう。そして,実際自分の身近でコトが起こったときに大騒ぎするのだ。南半球での感染の勢いを見ると,秋からの北半球での感染拡大はかなりの規模になるだろう。ワクチン接種の順序をめぐってまた大騒ぎになるにちがいない。
【天気】晴れ。暑い。