- ハイビジョン特集「BC級戦犯 獄窓からの声」2008.8.13, NHKBShi, 110分
『私は貝になりたい』のリメイク等、BC級戦犯を描いた作品がブームになっている。これまで“勝者の裁き”と批判されることが多かったが、戦犯の汚名を負った人々に、自己の戦争犯罪を正面から見つめようとしたグループがあったことは、ほとんど知られていない。
1950年代初頭、スガモプリズンに、自らの釈放を疑問視するBC級戦犯のグループがあった。ニューギニアで住民を虐殺し、20年の刑を受けた飯田進は、獄中で自らの戦場体験を凝視し続けた。朝鮮半島出身のイ・ハンネ(李鶴来)やホン・ギソン(洪起聖)等は、自身の罪を認めながらも、日本軍の責任を転嫁された不条理を訴えた。大東亜共栄圏の幻想から脱した日本人戦犯と、朝鮮半島出身の戦犯は、互いに影響しあいながら、「壁あつき部屋」などの手記を壁の外に向けて発表した。
番組では、飯田進やイ・ハンネ等の戦場体験をその裁判記録と付き合わせながら描く。さらに、戦後彼らがスガモプリズンの獄窓から発した問いの意味を考えていく。